クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

2019年デビューの良かったクルマ(前編)池田直渡「週刊モータージャーナル」(1/4 ページ)

» 2020年01月01日 06時30分 公開
[池田直渡ITmedia]

 さて、恒例の新年企画は、1日と2日の連続で2019年に乗って良かったクルマについて書いてみよう。基本的にデビュー順だ。

 ややこしいのは、カローラ・シリーズは今年の括りなのか去年の括りなのかだ。ハッチバックのカローラ・スポーツのみ、すでに2018年6月で先行デビューしており、19年9月17日にセダンとツーリング(ワゴン)が追加されると同時にスポーツもマイナーチェンジが行われ、課題だった直進安定性が大幅に向上している点だ。

 カローラー・スポーツに関しては去年すでに一度取り上げてもいるので、重複すると指摘されればその通りと言う他ない。ただ少なくともセダンとツーリングというおそらくカローラの主流となるボディタイプは今年デビューなのでそれを避けても通れない。面倒なので全部まとめて今年モノとして扱ってしまうことにした。

物理的にも寓意(ぐうい)的にも死角のないRAV4

 さて、トップバッターは4月10日に発売されたトヨタRAV4である(4月22日の記事参照)。北米では先代からカムリを抜いて、トヨタの最量販車種となっていたRAV4だが、トヨタ自身の予想をも超えて日本でもヒットを飛ばしている。

北米の再量販車種として日本に戻ってきた新型RAV4

 なぜそんなに売れているかといえば、商品性からみたコストパフォーマンスが抜群に良いからだと思う。最廉価の2.0ガソリン2WDモデルなら266万円(税込み、以下同)から。4WDでも289万円。最高値のハイブリッド+E-Fourですら389万円。プリウスが257万円から、カローラ・セダンだって普通に選ばれるであろうハイブリッドだと240万円からの値段になる。RAV4の値付けを見る限り、昨今のCセグメントの価格帯に肉薄している。筆者も値段を聞いた時には正直ちょっと驚いた。

 その価格でありながら、プラットフォームはひとクラス上のEセグメントのカムリ用GA-Kプラットフォームを採用している。これではプリウスやカローラの立つ瀬がないではないか。

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