クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

ダメなカローラと良いカローラ池田直渡「週刊モータージャーナル」(1/6 ページ)

» 2019年10月07日 07時00分 公開
[池田直渡ITmedia]

 9月17日、トヨタ自動車はカローラ(セダン)、カローラ・ツーリング(ワゴン)を発売した。このあたり正確に書こうとすると複雑だ。すでに先行して昨年6月に刷新済みのハッチバックモデルであるカローラ・スポーツも、今回セダンとワゴンのデビューを機にアップデートされた。

TNGA世代のカローラが3タイプ、ついに揃った。なおおそらくはフル4座のSUVが追加されるだろう

 併せて、旧型のカローラ・フィールダー(ワゴン)とアクシオ(セダン)は、依然カタログモデルとして併売される。念のために書いておくが、これは2012年デビューの古参兵であり、もう根本的に別のクルマだし、レベル的には最新のカローラと月とすっぽんくらいに違う。なお、煩雑なので以後フィールダー/アクシオはフィールダーとだけ書く。

月とすっぽんが併売されること

 トヨタについていろいろ取材してきて思うことは、2010年前後デビューのトヨタ車の出来はありていにいってひどい。売れているモデルでいえば、ヴィッツもそれをベースにしたアクアもプリウスαも、そしてこのフィールダーもだ。早く引っ込めて新型に切り替えてほしい。

 何となくリーマンショックの影響かとも思わないではないが、10年の暮れにデビューしたヴィッツにとっては、リーマンショックに襲われた08年秋はあらかた開発が済んだタイミングだろうし、微妙に腑に落ちない。なぜこの時期のトヨタがひどいのかは、筆者としてはトヨタ研究のテーマの一つだ。けれどどうもいまひとつ線がつながりきらない。

12年デビューのフィールダーは元々素養が高いとはいえず、しかも旧態化が進んでしまった
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