マツダは3月のジュネーブショーで、第7世代車両の第2弾として、Mazda3をベースにしたSUV、CX-30を発表した。現時点では国内発売日や価格は未定だが、マツダの人たちの口ぶりから類推する限り、年内発売というあたりだろう。
さて、このCX-30の生産プロトタイプの試乗会がドイツで開かれた。期待のCX-30の仕上がりは果たしてどうなのか?
という本題に入る前に、まずはクルマのポジショニングの説明から。従来マツダのSUVラインアップはデミオをベースにしたCX-3と、その上のCX-5、北米モデルのCX-9の幅を削って日本向けに仕立て直した3列シートのCX-8というラインアップで構成されている。ややこしくなるので、海外専用モデルを省くと、CX-8、CX-5、CX-3が、それぞれ大中小という構成だ。
しかしながら、CX-3はアッパーボディの構造材までデミオと共用という制約があったため、リヤシートとラゲッジスペースがデミオ水準になるのはやむを得ない。そのためCX-3は、斬新なデザインで好評価は得つつも、人によってはスペース的な要望を満たせなかった。例えば子育て世代を念頭に置くと、大型のベビーカーを収納するには無理があり、多くのユーザー層のニーズを満たすオールマイティな実用性は備えていなかった。
ではひとつ上のCX-5はというと、やはり少しサイズが大きい。特に車高の影響でタワーパーキングが使えないのは、マンション住まいで駐車場がタワー式というケースではいかんともしがたい。
つまりは、従来マツダのラインアップには、大人4人をしっかり乗せ、ある程度のラゲッジ積載量を備えつつ、タワーパーキングに入れられるコンパクトSUVが存在しなかった。CX-30の狙いはそこにある。
名前もサイズも近いものの、CX-3はクーペ型SUVでパーソナルユース、CX-30はファミリー層に向けた商品だといえるが、第7世代のデザインはそこに生活のにおいが漂わないスタイリッシュさを加味して、カッコ良いファミリーカーに仕立てたところがミソになるだろう。
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