株式会社RMロンドンパートナーズ代表取締役。キャリアとコミュニケーションの専門家として、芸能人や政治家の謝罪会見などをコミュニケーションや危機管理の視点で、テレビ、ラジオ、新聞等において解説している。大学や企業でのキャリア開発やコミュニケーション講座を全国で展開中。著書「謝罪の作法」他多数。
レバノンに逃亡したゴーン被告の記者会見が行われましたが、その内容は自己弁護と激しい日本の司法批判に終始し、対する日本からは批判の声が多く聞こえます。ゴーン会見からは何も新たな情報はなく価値がないと評する司法専門家や、犯罪者のくせに自己弁護と自画自賛ばかりで許せないと声高に反発する、日本のおじさんたちとグローバルコミュニケーションのギャップを感じました。
(1)ゴーン会見の目的
ゴーン会見に対して「何も新たな情報がない」「すべて想定の範囲内で何ら意味はない」「犯罪者が偉そうにしゃべるな」と専門家や、素人のおやじ友達は反発していました。「日本の司法が悪い」「私は悪くない」というメッセージに終始した会見ですから気分を害する日本人が多いのも当然かもしれません。
いかにダメ会社だった日産を自分だけが生き返らせ、巨額の利益をもたらせたか、自分がいなければ存続できるはずもない会社を建て直し、結果として得た報酬はそもそも多額といわれる筋合いはないというような自らの能力をバンバン自賛します。厚顔無恥もはなはだしいそのプレゼンは日本人にケンカ売ってるのか、と思う勢いです。
加えて人質司法、99%有罪といわれる日本の刑事制度や取り調べにおける不当な取り扱いなど日本の司法批判も日本人の愛国心を損なうものだったでしょう。そんな反発をゴーン氏ほど頭の回る人物は予見できなかったのでしょうか? なぜ素直に謝罪するのではなく、日本人全員から反発を買うような会見にしたのでしょう。
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