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朝食を抜きがちなビジネスパーソンに残された最終手段「だけ朝食」とは?ビジネスパーソンを救う「せめてこれだけ」食事術【前編】(2/2 ページ)

» 2020年01月10日 05時00分 公開
[佐藤達夫ITmedia]
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最後の手段・食べないよりはましの「だけ朝食」

 「これも無理」という人は、仕方ない……。糖質かタンパク質かビタミン類のうちの「どれかしら」を補給しよう。

  • シリアルと乳製品
  • おにぎりと果物
  • バナナとヨーグルト
  • ブドウパンやクルミパンと牛乳
  • チーズパンとジュース

 それもだめなら、もう最後の手段=「だけ朝食」。ほんとに「食べないよりはまし」程度。

  • 乳製品だけ
  • 果物だけ
  • 肉まんだけ
  • ゆで卵(コンビニのおでんも可)だけ
  • スムージーだけ
  • 野菜サラダだけ

 最後に紹介した「だけ朝食」を実践するに当たっては、3つだけ覚えておいてほしいことがある。

 (1) これは「食べないよりはまし」という手段であり、本来はきちんとした朝食をとるほうがいいということを忘れないこと。そして、できればなるべく「本来の食事」パターンのほうへと移動すること。間違っても逆の方向――例えば菓子パンだけやケーキだけ、あるいはサプリメントだけ――のほうへとはズレこまないように。

 (2) これはビジネスパーソンの最後の手段なので、子どもには適用しないこと。朝食が持つ意味は「栄養成分の提供」だけではない。とりわけ子どもにとって食事は「好ましい食習慣を身に付ける」ための優れたツールでもある。子どもは食事を見て「健康のためにはこういう物を食べればいいんだ」ということを学ぶ。いくら時間がなくとも、栄養成分が整い・食文化を反映し・安全性も学べる教材を朝食(に限らず全ての食事)で示したい。

 (3) 朝食をしっかり食べようとしたら、朝食だけに留意していてもダメ。朝の体調は前日の夜の過ごし方に大きな影響を受ける。寝る直前には飲食しない、夕食を過剰には食べない、夜はできるだけ早く寝る……これらのことを実践すれば、朝は早くに起きられるし、食欲も出る。

 理想をいえばキリがないのだが、少なくとも何も食べずに会社に出掛けるという習慣だけは、今日からやめよう!

著者プロフィール

佐藤達夫(さとう たつお)

食生活ジャーナリスト。1947年千葉市生まれ、1971年北海道大学卒業。80年から女子栄養大学出版部へ勤務。月刊『栄養と料理』の編集に携わり、95年より同誌編集長を務める。99年に独立し、食生活ジャーナリストとして、さまざまなメディアを通じて、あるいは各地の講演で「健康のためにはどのような食生活を送ればいいか」という情報を発信している。食生活ジャーナリストの会元代表幹事、日本ペンクラブ会員、元女子栄養大学非常勤講師(食文化情報論)。著書・共著書に『食べモノの道理』、『栄養と健康のウソホント』、『これが糖血病だ!』、『野菜の学校』など多数


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