2019年は紅茶飲料の市場成長が顕著だった。なかでも、キリンビバレッジのロングセラーブランド「午後の紅茶」は、3年ぶりに過去最高の販売実績を更新。「甘くないミルクティー」を提案する新商品がヒットした。大手飲料メーカーが紅茶の新商品を投入したり、タピオカミルクティーが流行したりと、市場の活性化が続く中、20年も消費者のニーズを取り込んで過去最高の更新を狙う。
午後の紅茶の19年の販売実績は前年比9%増の5540万ケース。3月に発売した「ザ・マイスターズ ミルクティー」が好調で、6800万本を販売した。「甘くない微糖」というこれまでの午後の紅茶にはなかった味わいで、主に30〜40代の女性から支持を得た。
「甘くない」味に対するニーズは、定番商品となった「おいしい無糖」の実績にも表れている。19年は20%増と、大幅に実績を伸ばした。食卓の定番メニューであるカレーとの組み合わせを提案するなど、新たな発信方法も試みている。
同社によると、19年の紅茶飲料市場は前年と比べて16%増(1〜11月)となっており、7年ぶりに前年を上回った。成長の大きな要因が、多彩な新商品の相次ぐ投入だ。サントリー食品インターナショナルはペットボトルコーヒー「クラフトボス」シリーズに紅茶を投入。19年3月に「クラフトボスTEA ノンシュガー」、7月に「クラフトボス ミルクTEA」を発売した。クラフトボスシリーズ全体の19年の販売実績は3400万ケースと、26%も増加している。
コカ・コーラシステムは19年9月、ロングセラー商品「紅茶花伝 ロイヤルミルクティー」を発売25年目でフルリニューアル。ミルクと紅茶のバランスを見直し、上質なミルクのまろやかさを感じられる味に仕上げた。また、18年発売の人気シリーズ「紅茶花伝 クラフティー」には、19年7月に第3弾「贅沢しぼりアップルティー」を投入している。伊藤園も8月に「TEAs' TEA NEW AUTHENTIC 生オレンジティー」を発売。20年1月20日には同シリーズから「生アップルティー」も発売する予定だ。
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