1月26日、ベルギーの首都ブリュッセルで、約200人の科学者が100人の市民とともに抗議デモを実施。5Gの電磁波が身体に影響を及ぼす恐れがあるとして、ベルギー政府に5Gの導入を中止するよう求めた。実は同じグループは、19年11月にも、204の国の17万2395人の署名を受けて、ベルギーで5Gの設置を中止するよう求めている。また、医師でも5Gのリスクを訴えている人たちがいるようで、こうした活動に賛同している。
欧州では、反5Gデモが次々と実施されている。オランダやスイスなどでも、5Gによる電磁波などの健康被害を訴えるデモが起きている。19年10月には英国南西部デボン州の小さな町、トットネスでも健康への影響を懸念して、5Gの禁止を求める署名運動(住民8000人中1600人以上)が起きて、一時導入停止状態に。米カリフォルニア州でもいくつかの小さな街が健康被害を検討することもなく5Gを禁止にした。
ただ、ヒステリーに近い話も浮上している。オランダで5Gのテストをした際、300羽の鳥がその影響で死んだとのニュースがFacebookで拡散されたが、真っ赤なうそだったことが判明している。
そもそも、健康被害はあるのだろうか。実のところ、意見は真っ二つに割れている。
一部の科学者など、5Gが危険だと言っている人たちは、5Gで使われるミリ波(4Gまでよりも直線性が強く、電波が強く、届く距離が短い)の健康被害をきちんと調査してから5Gを設置してほしいと考えている。5Gは超高速など利点があるが、電波の届く距離が短いため、50〜150メートルごとに通信基地を設置する必要がある。必然的に電磁波の量が激増するため、健康被害があるという。また、5Gで使われるミリ波の健康被害はまだよく分かっておらず、さらに調査が必要だという。
活動団体の「stop5G.be」が1月に公開した文書では、細胞ストレスや遺伝子変化、がん、不妊、精子の変異、睡眠障害、心臓疾患、鬱や自閉症などの影響があり、子どもや妊娠初期の胎芽が影響を受けやすいと主張している。そして「5Gでこの電磁汚染が蔓延(まんえん)するようになり、汚染が拡大する。そんな時代に入っているのである。その世界から、生き物は逃れることができない」と指摘している。
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