オートメーション・エニウェアは、2019年秋に日本を含む世界11カ国のオフィスで働く従業員を対象に、1万500件のインタビューを含むグローバル調査を実施した。その調査結果によると、世界で最も「嫌われている」オフィス業務は、コンピュータなどのデバイスにマニュアルでデータを入力する「一般的なデータ入力」(20%)であることが分かった。
さらに19%と僅差で、「Eメールの返信・整理」「デジタル文書の整理(文書やスプレッドシート、画像、PDFなどを正しいフォルダへ保存する業務)」が挙げられた。このような業務は、従業員が「日常的に最も多くの時間を費やす」管理業務のトップ3にも選ばれている。
日本で最も「嫌われている」業務としては、「経費の処理」(20%)が挙げられた。ついで、グローバルの結果と同様に、「デジタル文書の整理」(18%)、「Eメールの返信・整理」(17%)、「一般的なデータ入力」(16%)との回答が多く寄せられた。また、「予算管理」(17%)との回答が他国と比べて目立つ結果となった。
さらに、日本の従業員は、1日のうち平均2時間以上、本来の業務とは異なる手作業の反復的なPC業務に費やしていることも明らかになった。
本調査では、デジタル管理業務が生産性に影響を及ぼすことも分かった。対象となった従業員のうち回答者の過半数が、「デジタル管理業務」について「全体的な生産性を低下させる」(64%)、「本業の妨げとなる」(51%)と答えた。
また、ほぼ半数が「退屈である」(47%)、「自分のスキルが十分に活用されていない」(48%)と、ネガティブな印象を持っている。さらに、ミレニアル世代の半数以上(52%)は「管理業務が少なければ生産性の向上につながる」と回答しており、平均の48%より若干高い結果となった。
調査結果によると、1日8時間を勤務時間とした場合、平均的な従業員は簡単に自動化可能な業務に毎月60時間を費やしている。このような反復的な管理業務は、従業員の私生活での幸福度にも影響を与えるという。
実際に、調査対象となった従業員のほぼ半数(49%)が、「単純なデジタル管理業務のために、定時に退社できないことが多い」と回答しており、私生活にも影響が及んでいることが示された。男女別に見ると、「なかなか定時に退社できない」と答えている割合は、女性が43%に対し、男性は54%となっており、男性従業員にとってより大きな課題となっていることが見てとれる。
その一方で、全体的にデジタルの管理業務は女性に偏っており、このような「嫌われている」業務に費やしている時間は、女性が1日当たり3.4時間であるのに対して、男性は2.8時間だった。この傾向は、調査を実施した全ての国の官公庁・機関の職員に当てはまっており、公共サービスは最も管理業務の多い分野であることが明らかになった。これに関して、官公庁・機関の回答者の69%が、「多くの手作業入力を省いて管理業務を改善できるテクノロジーが必要である」と回答している。
これらの結果を反映するように、調査対象者のほぼ全員が、「自分の本来の業務ではない反復的な手作業のデジタル業務を自動化で排除するべきである」(85%)と回答しており、「変革によって幸福度が増す」(88%)と期待している。さらに、このような業務に割いていた時間が削減されれば、部署内の生産性が向上し、本来の業務で従業員がより高い成果を上げ、新しいスキルを習得する機会を追求できると答えている。
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