ドバイ万博の日本レストランはスシローに 抜てきの裏で社長が「赤字覚悟」な理由(2/2 ページ)

» 2020年01月30日 17時49分 公開
[ITmedia]
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 スシローによれば、万博の店舗ではハラール対応の上で100種類以上のメニューを提供予定。シャリには日本の米と酢を使うが、しょうゆやうなぎのタレなどはアルコールが含まれるものについては、日本と同じものではなく、ハラールフードの中で近いものを使うといった対応を取るという。

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 万博の店舗は1階建てで、座席数は92席。日本の店舗と同様に、回転用のレーンや注文用のタブレットを設置する他、スタッフもスシローの社員やパート、アルバイトなどから公募し、選抜した人を採用することで、日本と同等のサービスを提供するという。

 スシローの水留浩一社長は、「(1970年に出店した)大阪万博の元禄寿司に続き、万博での回転寿司のお披露目は今回で2度目。昔とは提供形態やシステムも変わっているので、ドバイで“今”の回転寿司を表現していきたい」と意気込む。

photo 中村富安氏(左)とスシローの水留浩一社長(右)

 一方で、水留社長は「基本的には赤字のプロジェクトだと考えている」ともコメントしている。約半年のために店舗を建て、設備を用意し、日本から食材やスタッフを手配するコストを回収するためには、各メニューの値段をそれなりの高値に設定する必要があるが、そうした方針は取らないためだ。

 「われわれの価値は、職人がいなくてもおいしいお寿司を食べられること。できるだけカジュアルな価格帯で提供したい。もちろんコストとの兼ね合いはあるが、現地で食べられる寿司よりは安くできればと考えている」(水留社長)

 スシローは現在、日本国内に540店舗を展開しているが、韓国や台湾、香港、シンガポールなど国外にも30店舗を構えており、グローバル展開を進めている。万博で「スシロー」の名を広げることで、将来的な海外進出の足掛かりとする考えだ。

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