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内定辞退セットに賛否両論 心のこもった「就活謎マナー」が企業にとっても大迷惑な理由採用側の意見は(5/5 ページ)

» 2020年02月03日 08時00分 公開
[新田龍ITmedia]
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謎マナーで得するのは誰か

 働き方改革関連法が施行され、おかしい企業には「おかしい」と声を上げられる時代になった。今こそ、求職者と企業双方にデメリットがあり、得をするのはマナー講師くらい……というような謎マナーの無意味さをみんなで共有し、撲滅していこうではないか。

 少なくとも採用選考においては、「マナーを全く気にしない面接官」はいないだろうが、「マナーしか気にしない面接官」もいない。もしいたとしたら、面接官失格だ。「無礼」でさえなければよいので、マナーよりも中身を磨いて選考に臨むことをお勧めしたい。

 一方でマナー講師の皆さまにおかれては、「○○はマナー違反」「◇◇なんて非常識」とささいなことをあげつらうよりも、「体調が悪いのに無理やり出社すること」「定時直前になって仕事を依頼すること」「固辞する人に無理やり、お酒やカラオケを勧めること」「休暇中の社員に業務関連の問い合わせをすること」……など、より現実的に起こり得るマナー違反について厳しく指導していただきたいものである。

著者プロフィール・新田龍(にったりょう)

働き方改革総合研究所株式会社 代表取締役/ブラック企業アナリスト

早稲田大学卒業後、複数の上場企業で事業企画、営業管理職、コンサルタント、人事採用担当職などを歴任。2007年、働き方改革総合研究所株式会社設立。労働環境改善による企業価値向上のコンサルティングと、ブラック企業/ブラック社員関連のトラブル解決を手掛ける。またTV、新聞など各種メディアでもコメント。著書に「ワタミの失敗〜『善意の会社』がブラック企業と呼ばれた構造」(KADOKAWA)他多数。


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