インフルエンザが流行する季節になった。その感染力の強さから、り患した場合には自宅で静養することが望まれる。一方、インフルエンザになっても無理を押して出社する人も少なからず存在する。なぜ、はた迷惑な「インフル出社」が起こってしまうのか。企業の現場に自ら入り込み、目標を「絶対達成」させるコンサルタントの横山信弘氏が切り込む。
ついにこの季節が来た。インフルエンザの季節である。厚生労働省が発表した流行予想によると、2019−20シーズンは1月末から2月初旬をピークに、3月末まで流行が続くという。例年よりも若干早く流行する予想だ。
私が恐れるのは、インフルエンザにかかっていても、出社してくる(出社させられる)人がいることである。
数年前のことだ。
50人ほどの営業マネジャーを対象に講演をしたあと、参加した方々と名刺交換をさせていただいた。そのうちの1人が咳き込んでいるので、
「お風邪ですか」と尋ねたところ、何と「インフルエンザです」と答えた。私が言葉に詰まっていると、「社長が、もう金は払ってるんだから休むな。講演を聴きにいけと言うので……」こう言うではないか。
2時間の講演を聴いているあいだ、さぞかし辛かっただろうに……。私はそう同情したものの、至近距離で名刺交換をしたわけだから、かなりナーバスになった。
実は3年前に私がインフルエンザに感染した際の感染経路は、大阪でのとあるセミナーだった。なぜそれが分かったかというと、そのセミナーを受講した5〜6人が、私と同じようにインフルエンザに感染したからだ。
私は講師である以上、マスクができない。もし参加者の中でインフルエンザなどに感染している方がいて、聴講中に咳やくしゃみをすれば、講師に向かってしぶきが飛んでくることは当然であり、感染する危険性は高い。私だけではない。周囲に座っている人も同様だ。閉じた空間で、長時間、何度も咳き込まれたりしたら、感染リスクはさらに高まるだろう。
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