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それでも“インフルエンザ出社”がなくならないワケ くだらない「武勇伝」づくりはもうやめよう「迷惑」と伝える勇気(2/3 ページ)

» 2020年01月17日 07時00分 公開
[横山信弘ITmedia]

季節性インフルは出社停止にならない!?

 インフルエンザに感染すると、小学校や中学校の場合、発症後5日を経過し、かつ熱が下がった後、2日が経過するまでは出席停止だ(学校保健安全法の規定)。

 一方、会社でもインフルエンザにかかると出社停止になるが、それは「新型インフルエンザ」の場合のみ。実は、「季節性インフルエンザ」の場合は対象外(労働安全衛生法)なのである。

感染症の分類(出所:厚生労働省「感染症の範囲及び類型について」)
季節性インフルエンザと新型インフルエンザは「別枠」?(出所:厚生労働省「感染症の範囲及び類型について」)

 だから、「インフルエンザでしたら、出勤してはいけないでしょう。自宅で休養してください」と「インフルエンザ出社」している人に同僚が指摘しても、「季節性だから大丈夫だよ」と言われたら反論できない。「ブラック上司」に対してもそうだ。

「インフルエンザにかかってしまったので、休ませてください」と電話で連絡しても、「季節性か? なら大丈夫だ。頼みたい仕事もあるし、出てこい」と命令されると、言い返すことができない。また、熱があるうちは休めても、学校のケースと同じにはならないため、「熱が下がったのなら出てこいよ。いつまで休んでるんだ」と突っ込まれることもあるだろう。

 しかし感染リスクを考えたら、いくら法律で定められていなくとも、本当にその判断でいいのか。今の時代、会社のルールとして整備すべきではないかと私は思う。

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