2020年から商用サービスが開始する「5G」。消費者の生活やビジネスを大幅にアップデートする可能性を秘めた技術だ。その一方で、多くの会社が悩む「50G」問題をご存じだろうか。企業の現場に自ら入り込み、目標を「絶対達成」させるコンサルタントの横山信弘氏が「50G」問題に切り込む。
「おい、5G(ファイブジー)って、ケータイの通信速度が速くなるだけだろ。ゲームしたり、映画を見たりしない俺なんかには、関係がない話だ」
「いや部長、それだけじゃないですが」
「それだけじゃないって、何だよ?」
ある日のことだ。クライアント企業の社長と一緒にランチしている際、隣の個室から、このような会話が聞こえてきた。社長は手にした小鉢を置きながら、あきれた表情で言った。
「うちの会社にも、いますよ。ああいう管理職」
誰のことを指しているのか、何となく見当がついた。しかし私は口に出さなかった。
「あれほど報道されているのに、5Gが直接、自分の事業に関係がないと、関心を持たないのでしょうか」
「その思考のクセ、はやく治してもらわないと困る。年齢とともに、ドンドン感度が鈍くなっていく管理職が多いんだ」
私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントだ。このクライアント企業には2年前から支援に入っている。最近ようやく業績を好転させ、低迷期からは脱した。そのお祝いに、ということもあり、社長からランチに誘われたのだ。しかし、社長の気は晴れないままだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング