インタビュー
» 2020年02月06日 05時00分 公開

白熱の経済論戦:村上世彰に森永卓郎の息子が聞く「日本の経営者に必要なこと」――株主がガバナンスを利かせ (1/5)

旧「村上ファンド」の代表を務め、「モノ言う株主」としても知られた村上世彰。現在の日本経済や経営者に対してどのような考えを持っているのか。森永卓郎の長男で、経済アナリストの森永康平が直撃した。

[森永康平,ITmedia]

 現在はシンガポールに住みながら、投資家としての活動を続ける村上世彰。かつては旧「村上ファンド」の代表を務め、「モノ言う株主」としても知られた村上が2019年5月、角川ドワンゴ学園が運営する通信制高校「N高等学校」(N高)が設立した「N高投資部」の特別顧問に就任した。村上がN高投資部の特別顧問に就任したことだけでなく、日本でも金融教育の重要性が叫ばれ始めたことから、同校における投資部の発足には大きな関心が集まった。

 村上が特別顧問に就任してから半年以上が経(た)ち、N高での村上による数回の講義や個別面談も終え、年度末に最後の授業を残すだけとなった。自身が教えたN高投資部に対して、村上はどのような感想を抱いているのか。そして現在の日本経済や経営者に対してどのような考えを持っているのか。

 前回(「村上世彰を、森永卓郎の息子が直撃――「お金の恐さ」を子どもにも経験させることが重要」参照)に続き、経済アナリスト・森永卓郎の長男で、自身も金融教育ベンチャー・マネネCEOを務める経済アナリストの森永康平が直撃した。(敬称略)

phot 村上世彰(むらかみ・よしあき) 投資家。1983年、通産省(現・経済産業省)に入省。独立後、1999年から2006年まで投資ファンドを運営。現在、シンガポール在住。著書『生涯投資家』(文藝春秋)、『いま君に伝えたいお金の話』(幻冬舎)など。19年にN高投資部の特別顧問に就任。自身が創設した村上財団では現在、新型コロナウイルス感染拡大に対する緊急支援活動をしている。60歳(撮影:タカハシアキラ)

日本はお金と正面から向き合え

―――村上さん今日はよろしくお願いします。

 はい、よろしくお願いします。お父さん、リバウンドしてない?

―――少し戻ったかもしれないですね(笑)。

 罰金とられない?(笑)。さて、今日は何を話しましょうか?

――N高投資部での特別顧問に就任して半年以上が経ちました。手ごたえや感想を聞いてみたいのですが、いかがでしたか?

 投資部はわずか50人ですから、「日本を変えていきたい」という目標からすると手ごたえというには規模が小さい。でも、やってよかった、と思っています。こういう取材も、教育に関することだから受けていますけど、普通の取材なら受けていません。投資部をやったことで、こういう機会をいただいて、この活動が世の中に広がっていく。

 リアルとWebで、僕は部員のひとりひとりと面談をしたんですが、その中で「投資でもうけたお金」をいろんな形で社会貢献のために使いたいと言ってくれた生徒がいました。その生徒は台風19号のがれき撤去のボランティアに親と一緒に参加したそうです。お金のことを勉強することによって社会と自分との接点を見つけられたんだと思います。

 そういう意味ではN高の投資部をやって、その結果、活動が知られていき、結果として世の中でお金の教育を受けたいと思う人が生まれることがあれば、うれしいですね。

――取材前に開かれた授業でも、「時間がないなかでやれることはやりきった」と話をしていましたね。

 はい、精一杯やりました。やるべきことは全部やった。時間がないなかで、ちょっとしんどかったこともありました。でも、こうやって取り上げてもらえて、日本でもお金の教育をきっちりとやっていこうという空気になればいい。短時間ですけど、投資部をやることによってメディアにも報じてもらえるわけですから、こういう活動が自分のミッションだと思っていますよ。

 僕はある意味で「お金は汚いものだ」という印象を(自分の行いを通じて)世間に植え付けてしまった。その「お金は汚いもの」という考えはいまの日本を悪くしている。僕は「お金は悪いものだ」という考え方を変えたいんですよ。お金というものと真正面から向き合わないと、この国はよくならない。

phot 村上と対談する森永康平(右)
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