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» 2020年02月10日 15時55分 公開

AIが投資する時代 「FOLIO ROBO PRO」はAIで何を予測するのか (2/4)

[斎藤健二,ITmedia]

ROBO PROのAIは何を予測するのか?

 投資におけるAIの活用方法は幅広い。航空写真を使って原油のタンクや駐車場の混み具合をチェックし、需要予測を行うといったものから、SNSやニュースサイトの文章を解析して暴落の前兆を見つけ出すものまでさまざまだ。

 そんな中、ROBO PROでは、各資産の将来の値上がり率(リターン)を予測することにAIを使った。利用したのは、為替予測などで金融機関に幅広く採用されているAlpacaJapanの技術だ。

 「株価指数や債券、コモディティ、通貨などの約40種類のマーケットデータを中心に、ROBO PROに組み込む8種類のETFの、数カ月先の価格の動きを予測する」と、プロダクト事業部 投資戦略課の廣瀬達也氏は説明する。

 マーケットデータをAIに学習させ、SVMなど機械学習の線形モデルを複数使いリターンを予測する。注意したのは、AI利用でよくいわれる過学習(オーバーフィティング)だ。過去のデータから最適な結果を導き出すように学習させすぎると、未知のデータについて精度が低くなる現象を指す。

 「ベースになっているのは、アウトオブサンプルという手法。例えば2014年までのデータを使って学習してモデルを構築し、ポートフォリオを組み、2014年の1月から2月まで運用する。そして2月までのデータを用いて、リバランスを行う。その結果がどのくらい適切かでモデルを評価していった」

 モデルは、リスクに対するリターンの比率(シャープレシオ)や、期間内の最大値下がり率(最大ドローダウン)などを考慮しながら決定した。「バックテストのグラフだけ見てパフォーマンスだけの議論に陥りがちだ。しかし、そのほかのボラティリティ(価格変動率。リスク)やドローダウンも総合的に評価するのが重要」(廣瀬氏)

 株価下落の影響を防ぐという意味では、数カ月先の予測ではなく、もう少し短期の予測を採用する方法もあったのではないか。AlpacaJapanのAI技術が金融業界で評価されたきっかけは、為替の1秒後から30分後といった超短期の予測によるものだった。

 「あまりに予想期間が短いと、トレンドフォローになってしまい、激しく相場が動いたときに大きく損失を被る傾向があった。頻繁にリバランスをすればいいというものでもなく、ポジションを取ったら少し下落しても持ち続けるという戦略が有効になることがある。また、下落が長期に長引くような局面であれば、1カ月のリバランスでも対応できる」(廣瀬氏)

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