数カ月先のリターンを予測するといっても、最も上がりそうな資産にすべてを投資するような仕組みではない。実際には、各資産のリターン予測とその確信度を計算モデルに入れ込んで、最適な資産の組み合わせ(ポートフォリオ)を作り出す。
一般的なポートフォリオの考え方では、各資産のリターンとリスクを元に、最もリスクあたりのリターンが大きくなる組み合わせ(平均分散)を計算して、各資産の比率を決定する。しかし、リスクの推定はともかく、リターンの予測は非常に難しいといわれている。ROBO PROではそのリターン予測にAIを活用した形だ。
具体的には、「投資家やファンドマネージャーの思惑をポートフォリオに反映するときに実務でよく使われる、ブラック・リッターマンモデルを使っている」と廣瀬氏。
単純な平均分散法では、予測したリターンのわずかな変化が、ポートフォリオに大きな影響を与えてしまう。この影響をマイルドにするモデルだ。市場平均からリスクを元に逆算して内在して想定されているリターンを導く。ここに、AIによるリターン予測を、ベイズ推定を用いてブレンドし、各資産のリターン予測をアップデートする。このリターン予測とリスクを使って平均分散法でポートフォリオのバランスを決定する。
「モデルでは考慮できないリスクもある。1銘柄に集中的に投資しないように、50%以上は持たないという制約を加えている。ただし、挑戦したのは配分の下限を0%にしたこと。これまでは最低5%だった」(廣瀬氏)
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