地域と一体化して盛り上がる、という意味では、鉄道とサッカーチームには共通点が多く、協業もしやすそうだ。そういえば、東急電鉄も川崎フロンターレと毎年夏に共同でイベントを開催している。埼玉高速鉄道は浦和美園駅の臨時プラットホームを浦和レッズデザインにした。長崎電軌軌道はVファーレン長崎のマスコットキャラクターをラッピングした列車を走らせている。その中でも小田急電鉄の取り組みはゲーム感覚で面白い。次はどれだけの歩数でどんなイベントを用意するだろう。サポーターたちも楽しみにしていると思う。
小田急電鉄は「ARUCLUB MACHIDA」の盛り上がりを一つの契機として、2月7日に「スポーツ共創戦略 OSEC 100(オーセック100)-Bound For Fun-」を発表した。OSECは「ODAKYU Sports Entertainment Contents」の頭文字をつないだ言葉。さまざまな分野のスポーツにエンターテインメント要素を加えて、駅前の渋滞緩和、健康増進など社会的課題を解決していくという。「100」は小田急電鉄開業100周年となる2027年までに100のコンテンツを作るという意味だ。
小田急とFC町田ゼルビアのような関係が、もっと広がっていく。ちなみに小田急グループに縁があるイベントとしては箱根駅伝があるけれども、「OSEC 100」は見るスポーツより参加するスポーツを重視していくとのこと。さて、どんな手を打ち出すか。こちらも楽しみだ。沿線に健康で笑顔な人が増えていく。地域と積極的に関わりたい企業にとって、とても参考になる事例だ。
乗り鉄。書き鉄。1967年東京都生まれ。年齢=鉄道趣味歴。信州大学経済学部卒。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。出版社アスキーにてPC雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年よりフリーライター。IT・ゲーム系ライターを経て、現在は鉄道分野で活動。鉄旅オブザイヤー選考委員。著書に『(ゲームソフト)A列車で行こうシリーズ公式ガイドブック(KADOKAWA)』『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。(幻冬舎)』『列車ダイヤから鉄道を楽しむ方法(河出書房新社)』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」。
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