21年卒、「公務員は滑り止め」が約2割 併願する民間企業で人気の業界は?16年卒以来、公務員志望率は最低(1/2 ページ)

» 2020年03月18日 05時00分 公開
[ITmedia]

 マイナビは3月17日、2021年卒の学生に対して行った、公務員のイメージに関する調査結果を発表した。調査結果によると、公務員を就職先の選択肢として「考えている」と答えた人の割合が、就職活動のスケジュール変更があった16年卒以降で最低だった。

21年卒、公務員へのイメージは……

 公務員を選択肢として考えていると答えた人の割合は全体のうち21.2%。16年卒以降は20%台後半で推移しており、20年卒の調査では3割を超えたが、今回は一転して低い結果となった。民間企業で「働き方改革」が浸透し、労働環境が改善していることや、インターンシップの普及で早期から民間企業とかかわる機会が増えたのが一因とみられる。

16年卒の調査以来、公務員志望者の割合が最低だった(出所:マイナビ調査)

 「もともと公務員を志望していたが、やめた」と答えた人に対してその理由を聞いたところ、「他の業界や仕事などに興味を持ったから」が最多で43.3%。その他は、「十分な試験対策ができないと思ったから」(38.5%)、「試験の難易度や倍率が高く、受からないと思ったから」(32.9%)、「スケジュール上、民間企業への就活と両立できないと思ったから」(31.3%)と、仕事内容ではなく、試験制度やスケジュールでハードルを感じている学生が多い結果に。では、どのような点を改善すれば、公務員になりたいと思うのか。これについては「民間と並行して受けられることができれば」という回答が最も多かった。

「公務員志望」をやめた理由(クリック/タップで拡大 出所:マイナビ調査)

 仕事内容ではなく、試験制度などへの意見が目立つのはなぜなのか。背景には、公務員側の「情報公開不足」もある。民間企業と比較して、公務員の仕事に関する情報量を聞いたところ、「少ない」という回答が全体のうち73.4%。公務員を就職先として考えていると答えた21.2%に限っても、「情報量が少ない」と答えた人が61.3%と、不満感が目立った。不足していると思う情報については「詳しい仕事内容」(71.2%)を筆頭に、「試験から採用までのスケジュールについての情報」(42.3%)、「職場の雰囲気などについての情報」(40.2%)などが挙がった。

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