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面接で「してはいけない質問」、知っていますか? 「思想・信条・宗教」だけではない、いくつものタブーとは連載・あなたの会社は大丈夫? 求職者に「ブラック企業」と思われないために(1/4 ページ)

» 2020年03月16日 05時00分 公開
[新田龍ITmedia]

連載:あなたの会社は大丈夫? 求職者に「ブラック企業」と思われないために

 求職者があなたの会社を知り、実際にアプローチするまでにはいくつかの段階を経ることになる。具体的には「求人広告を見る」「インターネットで調べる」「会社説明会やセミナーに参加する」「企業訪問する」「面接を受ける」「内定を得て、入社を待つ」といった流れになるわけだが、その段階別に、求職者目線から「ブラック企業認定ポイント」を検証していき、企業が知らず知らずのうちに「ブラック企業」と思われないような対策を講じるヒントにしてほしい。

 新卒採用シーズンを迎えるにあたって、求職者が「この会社、ブラック企業かも……」と思うポイントを紹介するこの連載。初回は、良かれと思って工夫した宣伝文句が、受け手にはネガティブに捉えられ、全くの逆効果になってしまうポイントを列挙した。前回は、求職者と企業が直接かかわる、「会社説明会」や「会社訪問」でのチェックポイントを紹介した。今回は、面接において、求職者が感じ取る「ブラック企業判定ポイント」を検証していこう。

【連載第1回】美辞麗句で求職者は騙せない! アピールのはずが「ブラック企業かも」と思われてしまう求人広告の特徴

【連載第2回】「デスクでランチ」が多い会社はブラック企業!? そこかしこに潜む、「ブラック企業認定」のリスク

面接で「選ぶ」だけでなく「選ばれる」場でもある

 企業側にとって、面接というとどうしても「求職者を評価する場」という印象が強い。確かにその通りではあるだが、評価するのは企業側だけではない。求職者側も、企業を評価している。場合によっては何十年間にわたって、それも1日8時間以上を過ごす場であることを考えると、求職者の「眼」も当然厳しくなるはずだ。

 特に、複数企業から内定を得られるような優秀な求職者であればあるほど、多くの企業を相対的に判断できる立場にある。あなたの会社が何気なく出してしまうちょっとした雰囲気に違和感を抱くこともあろう。では、具体的にどんな点に注意すべきなのだろうか。

面接での注意点とは(出所:ゲッティイメージズ)

短時間・1回の面接で即内定 →「頭数さえそろえば誰でもいい」という雰囲気を察知する

 面接を「やる側」として多くの場数を踏んでいる人間であっても、逆に面接を「受ける側」になるのは緊張するし、プレッシャーも感じるものだ。もしかしたら、求職者に対して「良かれ」と思って、あえて面接回数を減らしている会社があるかもしれないが、それは良い人材の確保にあたって逆効果であることをお伝えしておきたい。

 人事採用のプロであっても、人をきちんと評価し、見抜くのには時間を要するものだ。求職者が「現在持っている能力」だけではなく、「将来の可能性」や「人柄」など、多くの事柄を多角的に判断しなければならないことは非常に難しい。かつ、実際の採用では人事担当者だけが面接するのではなく、一緒に働く現場の社員や役員など、さまざまな立場の人が選考にかかわり、総合的に判断することが一般的である。

 正社員の平均的な生涯賃金は「2億〜3億円」ともいわれ、いったん採用すれば労働基準法などがあるために簡単に“クビ”にはできない。そんな「高くてキャンセルしにくい買い物」をするのに、わずかな時間の面接でアッサリ決めきれるはずはないし、そうしてはいけないのである。

 求職者の立場から考えても当然だ。「1回の面接で即決」「10分程度の面接で内定」といった事態は、恋愛で言えば「初対面の10分で『一目ぼれしました!』と告白される」ようなものだ。その瞬間は確かにうれしいかもしれないが、冷静になって考えれば「私の何が分かるの!?」などと疑問を持ってしまうこともあるだろう。従って一般的には「即決」=「もう誰でもいいから、人数さえそろえばいい。イヤなら勝手に辞めろ」くらいの基準であろうと解されることになる。お互いのためにも、十分な時間をとって選考したほうがよいのだ。

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