バブル崩壊とウイルス感染では景気回復が違うはずだ。
結果として、金融機関の破綻や危機が続き、特に米国では過剰債務を抱えた個人の需要(消費意欲)が一気に減退、経済全体として失業が増え、突然の変化に対応できなくなった。金融機関のリスク管理を強化する政策が実行された一方、失業増・危機が約2年続いた後、企業の淘汰と雇用・賃金・消費の回復までに約4〜5年を要し、「失われた7年」と呼ばれるほどの長い道のりとなった。
そもそもウイルス蔓延が続く期間を予想・想定することは難しい。ただし、直接的には政府の感染防止策が需要を抑え込んでいることは明確で、回復させるために各国政府が財政政策で対応することが当然となる。
もう一つの大きな違いは、リーマン・ショックの時よりもコロナ・ショックの方がインフレ期待が低い(米国長期金利はリーマン・ショック時は4%程度、今回は1%程度)ことだ。金利がもともと低い状態なので、金融政策(利下げ)は、前回と比較して今回のほうが、需要ショックに対して効きにくい。
もともと金融バブル(金融機関に問題あり)だったリーマン・ショックと異なり、経済(需要)低迷の直接の原因がウイルスと政府の感染防止策にある上、低金利が続いていたことで、金融政策の限界が明確になりやすい環境であることだ。
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