Twitter連載の漫画『100日後に死ぬワニ』(きくちゆうき作)が、話題と波紋を呼んでいる。ワニの何気ない日常を描く四コマが、「死」までの日数をカウントしながら毎日更新され、3月20日に迎えた最終回ではSNS上で感動とさまざまな考察の輪を巻き起こした。
一方で、間髪入れず書籍化やグッズ展開が表明されたことや、“電通案件”(過労自殺問題を過去に起こした電通が本作のPRに関わっている、というもの)説、最初から商業展開を狙った「ステマ」などを疑う流説も広まり、SNS上の典型的な“炎上”に発展した。
Twitterの特性をうまく話題作りに生かしたSNSマーケティングの成功例である本作が、同時に炎上案件になってしまったメカニズムとは。そして、今後のビジネス展開にどう影響するのか。単なる印象論や主観だけでなく、実際のTwitter上の書き込みデータを分析することで迫った。
今回、Twitterのデータを収集・解析してもらったのは、企業向けにSNS上の炎上分析・対策を長く手掛けてきたエノルメ(東京・千代田)社長の武田直樹氏。2月下旬から、この漫画が最終回を迎えた直後に批判的な話題が浮上してきた3月22日までの該当する書き込み量をグラフ化した。
まず、『100日後に死ぬワニ』に関連した書き込みの中で、炎上に関連する「ステマ」「ヤラセ」「仕込み」「電通」というキーワードがさらに含まれる物を抽出した。3月中旬まではこうした書き込みは1日当たりゼロか、せいぜいジョークのような内容に終始しており、ステマ疑惑はほぼ浮上していなかった。
こうした「疑惑系反響」が急浮上したのは3月19〜20日にかけて。19日に498件、20日には3470件に膨れ上がり、21日には50900件と炎上のピークを迎えた。
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