新型コロナウイルス拡大による外出自粛、そして買い占めなどの異常な消費が連日、メディアで報じられている。小売りの全国販売データを分析したところ、2月末にはトイレットペーパーの売り上げ個数が前月比で6倍まで増えた日があったことが明らかになった。
他にも除菌剤や体温計など感染症対策の商品が著しく売り上げを伸ばしており、新型コロナがリアルな消費行動に強烈な影響を及ぼしている状況が数値でも見えてきた。
調査はビッグデータによるマーケティング分析を手掛けるTrueData(東京・港)が実施。全国のドラッグストアと食品スーパーの、2月のPOS(販売時点情報管理)データのべ約5000万人分を集計し、消費者の購買動向として分析した。
まず、ドラッグストアで売れた日用品カテゴリーの商品について、売り上げ個数の伸び率をランキング化した。1位は「台所用除菌・消臭剤」で前年同月比で約2.9倍に。3位の「ウェットティッシュ」に4位の「うがい薬」など、やはり感染症対策に関連した商品が浮上する結果となった。
一方、買い占め騒動で話題となっているトイレットペーパーは伸び率ランキングで20位、マスクに関しては意外にもランク外となった。TrueDataの担当者は「マスクの売り上げピークは1月。その後、(買い占めで)ドラッグストアの売り場から既に無くなってしまった影響もあるのでは」とみる。
トイレットペーパーに関しても、小売りでの在庫払底で「買いたくても買えない」状況がある、と分析する。ただ、1月以降のトイレットペーパーの購入個数の推移をグラフ化してみると、「2月28日」の売り上げのみ、1月平均の約6倍まで膨れ上がっていることも明らかになった。
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