新型コロナによる「自粛」、世界の人は何をしている? テレビ会議が浸透、ベビーブーム発生の予想まで世界を読み解くニュース・サロン(4/4 ページ)

» 2020年04月02日 07時00分 公開
[山田敏弘ITmedia]
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「コンドーム品薄」の懸念まで

 その一方で、世界のコンドーム生産の20%を占めるマレーシアは、東南アジアでも感染者数が多いため、工場をフル稼働できない状況にある。そんなことから、新型コロナウイルス蔓延のために、世界でコンドームが品薄になるのではないかとの懸念も出ているくらいだ。ちなみにマレーシアでは2週間以上にわたって国内がロックダウンされている。

 皮肉なことに、英国のメディアも、外出できずに子作りに費やす時間ができ、その上、マレーシアで避妊具が作れないために、国民が避妊できず、結果的にベビーブームが起きるかもしれないと主張する精神科医の話を引用する記事まで掲載している。

感染症対策を呼び掛けるチラシ(首相官邸)

 新型コロナウイルスの蔓延は冗談で済む話ではないが、家にこもってインターネットなどを見続けていると、視野が狭くなって精神衛生的にはよろしくないだろう。政府が指導する「密閉空間」「密集場所」「密接場面」を避け、共同で使う物品は消毒するなどして自宅で過ごす、または仕事など最低限の外出に止めることは大事だが、それぞれが自分の時間をできる限り有意義に過ごしたほうがいい。

 世界中の人たちも、そうやって同じようにこの苦境を乗り越えようとしているのである。

筆者プロフィール:

山田敏弘

 元MITフェロー、ジャーナリスト、ノンフィクション作家。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフルブライト・フェローを経てフリーに。

 国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)、『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)、『CIAスパイ養成官 キヨ・ヤマダの対日工作』(新潮社)、『サイバー戦争の今』(KKベストセラーズ)がある。テレビ・ラジオにも出演し、講演や大学での講義なども行っている。


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