国内の各銀行で整備が進んでいる銀行API。これは外部から口座の情報を取得(参照系)したり、口座に対して振り込みなどの処理を実行(更新系)したりするためのAPIだ。この銀行APIを使った開発を自由に行える「API実験場」を、GMOあおぞら銀行が「sunabar」という名称で4月7日に公開した。
「sunabarを使うと、実際に動く新しいサービスのプロトタイプを作ることができる。また、API接続契約前に開発に着手できる。作ったプロダクトを販売、売却したり、コラボレーションしたりするビジネスチャンスにもつながるだろう」と、GMOあおぞら銀行の金子岳人会長は狙いを話した。
GMOあおぞら銀行はAPIを自社開発しており、開発者ポータルの提供や仕様書の公開などを実施。ニーズに基づいて新たなAPIの開発も行ってきた。「ネット産業ではAPIを用意するのは当たり前だが、その考え方を銀行業界に持ち込んだ」と金子氏。19年1月から銀行APIの無償公開をしているが、sunabarを通じて、より広く活用してもらうことを目指す。
発表会では実際にsunabarを使うデモンストレーションも行われたが、利用法は簡単だ。GMOあおぞらネット銀行の口座を持っていれば、個人法人を問わずに無償で利用できる。特に申し込みなどは必要なく、口座にログイン後、表示される「開発者」タブを開けば、sunabarのIDなどを確認できる。
sunabarは、勘定系のシミュレータを中心に構築された環境で、すべてAWS上で稼働する。APIを試せるだけでなく、ダミーアカウントを最大10口座まで追加したり、ATMでの入出金、他行から振り込みを受けたりといった処理を行える。
参照系だけでなく更新系のAPIもsunabarで試すことができ、Visaデビットの取引明細照会や、イベント通知などを除く、約8割のAPIを試すことができる。「未対応のAPIも、ニーズが高ければ次の開発計画で対応していきたい」(矢上聡洋CTO)
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