今回、リーダーの言葉が響かない最大の理由は彼ら自身が「当事者」になってないからです。安倍首相の「私たち政治家の給料は減ってないから、30万もらうのはおかしい。だから一律じゃなくした」という一言が、全てを物語っています。
「世界的にも最大規模」と胸を張っていましたが、だったら世界のリーダーたちのような当事者意識をもって、自分の言葉で語ってほしいものです。
SNSで話題になったシンガポールのリー・シェンロン首相の11分半にわたるビデオメッセージや、ドイツのメルケル首相のテレビ演説には、「当事者意識」があふれていました。
どちらの首相も自分の言葉で語りかけ、ネガティブな情報もきちんと説明し、今、あるいはこれから行うとする措置の根拠と、期待されるゴールが分かりやすく語られていました。
安心させること――。それはリーダーにしかできないことなのです。
リーダーのたった一言で、勇気づけられ、安心する人がいる。誰もが不安な時だから、1人でも多くの人に、リーダーたちにしかもたらすことのできない安心感を与えてほしいと、心から願います。
東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。千葉大学教育学部を卒業後、全日本空輸に入社。気象予報士としてテレビ朝日系「ニュースステーション」などに出演。その後、東京大学大学院医学系研究科に進学し、現在に至る。
研究テーマは「人の働き方は環境がつくる」。フィールドワークとして600人超のビジネスマンをインタビュー。著書に『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアシリーズ)など。近著は『残念な職場 53の研究が明かすヤバい真実』(PHP新書)、『面倒くさい女たち』(中公新書ラクレ)。2019年5月、新刊『他人の足を引っぱる男たち』(日経プレミアシリーズ)発売。
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職場や社会に居場所のないオジサンたち。定年前後の本当の不安は、お金や健康より「孤独」なのです。
現役時のニッポンの“カイシャ生活”にこそ、定年前後の「孤独化」の芽があります。健康社会学の立場から、組織の中における現代人の「ジジイ化」「オジサン化」現象を分析し、鋭いメスを入れてきた著者が、「定年」を境に居場所を失い孤独に陥りやすい人の特徴を分析し、そうならないための対処法をお伝えします!
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