根拠なき「総理の英断」により、弱い立場の人たちが追い詰められています。
東京都労働相談情報センターの「緊急労働相談ダイヤル」には、3月6日時点で230件の相談が、日本労働組合総連合会の電話相談にも4、5日の2日間で計191件の相談が寄せられました。
相談者の7割は非正規で、フリーランスと個人事業主からも多いといいます。
「仕事を休みたいが、解雇されそうで言えない」「1年契約の臨時教員だが、臨時休校により収入がなくなってしまった」「学校給食のパートなので仕事がなくなってしまった」「時短勤務になるとその分賃金が下がる」など、「この先どうやって生活していけばいいのか!」という悲鳴が相次いだそうです。
政府は企業に対し、仕事を休んだ従業員の賃金の補償として助成金を支給することを表明。一方で、低所得者の生活を支援する「生活福祉資金貸付制度」に特例を設け、収入が減った非正規労働者やフリーランスの世帯を対象に、休業した場合に10万円を融資する方向で調整していると報じられましたが、「借りたら返さなくてはならない」わけで。その返す見通しが立たない状況で10万円って……いったいナニ?? 全くもって理解不能です。
で、みんなが「何で社員にはカネ出すのに非正規やフリーランスは貸しなんだよ!」と騒ぎ出したら、今度は「新型コロナウイルスの影響で一斉休校した措置として、政府が一定の要件を満たしたフリーランスや自営業の人に対して1日4100円を給付」なんてニュースが飛び込んでくるんですから、全てが“付け焼き刃”的。しかも、4100円って……。かなり微妙です。
そもそも安倍首相自身が全国の小中高校などへの休校要請について、「直接、専門家の意見を伺ったものではない」と専門家会議の提言に基づく決定ではないと明かしているということは、学校を再開させる根拠もないってこと。「もう、そろそろいいかもね〜」という、実に曖昧な感覚で休校要請がとかれ、その余波で困窮に追いやられた人たちの生活再建は「自己責任でよろしく!」と暗に言っているのです。
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