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» 2020年04月27日 05時00分 公開

小売・流通アナリストの視点:中小企業が新型コロナ下を生き抜くカギは「借金嫌い」の克服 中には「起死回生」となる業界も? (1/5)

新型コロナ対策でさまざまな支援制度が出てきている。その中には「破格の条件」ともいえる融資制度も。平時は「借金嫌い」でも、緊急時には借金をいとわず、とにかく生き抜くことを考えるべきだと小売・流通アナリストの中井彰人氏は指摘する。あらゆる業界が対応を迫られているが、中には「起死回生」のチャンスとなっている業界も?

[中井彰人,ITmedia]

 緊急事態宣言の発令以降、筆者は極力外出しないで必要なコミュニケーションをWeb、電話に切り替えている。定例だったミーティングなどもWeb会議となり、相手方もおのおのが在宅勤務を実施していて、各自の自宅から参加しているような状況が多くなっている。慣れない人もいたりして、会議の開始時間が大幅に遅れることも多く、ストレスではあるが、仕方がない。感染症対策は、「人間同士が接触しない」というのが最も有効な対策なのだから、ここは皆で外出しないで耐えるしかない。ウイルスのまん延を抑え込まなければ、経済活動を元通りにすることはできないのだから、いまは経済を犠牲にして戦うしか、選択肢はない。

 しかし、経済活動の制限や停滞による影響は甚大であり、休業、自粛要請で営業ができなくなっているイベントやエンタメ関連業界や飲食業界などを始めとして、多くの中小企業が存続の危機に陥っている。そのため、国や自治体では中小零細企業、個人事業主への支援策を用意して、日本経済、地域経済を支えようとはしている。国の支援策に関しては、各論ではさまざまな批判や不満が聞かれ、個人的にもいかがなものかと思うことも多いが、現場とすれば、現時点で提供されたメニューを可能な限りフル活用して、生き残ることが大事だ。

分かりづらさは我慢して「使い倒す」べき

 まずは、経済産業省が出している国の支援策パンフレットは、必ずチェックしておくべきだ。主なものとしては、資金繰り支援(緊急的な融資枠の創設など)、売り上げが半減した企業などへの給付金(借金ではなく、「もらえる」資金)、雇用を維持するための助成金、税金・社会保険・公共料金などの支払猶予、といった項目が並んでいる。コロナ禍の影響を受けている中小企業にとっては、必ずなにか使えるメニューがあるので、読みにくいのを我慢して、見てほしい。項目ごとに問い合わせ先も載っているので、気になるものは確認することもできる(当然ながら、電話は混んでいて、相当苦労はするが、根気よくリダイヤルし続けよう)。

分かりづらさは我慢して「使い倒す」べき(出所:ゲッティイメージズ)

 また、国の支援策とは別に、県、市などの自治体ごとに地域での独自支援メニューも用意されている。会社の本店登記自治体、主たる納税地にあたる市区町村で「○○区 コロナ」といった形で検索すれば、ほぼその地域の支援策を掲示しているのでこれも要チェックだ。通常時には、自治体のWebサイトを積極的にチェックしている人は多くないだろうが、こうした非常時には確認しておくことをお勧めする。

 自治体によって、支援策はバラバラであるため、非常に分かりづらいが、多様なので、意外と自社に役立つ支援が見つかることもあるのだ。こうした書面をチェックしても、煩雑でよく分からないという場合は、上記の経済産業省パンフレットの「第1章」にある「経営相談窓口」(よろず支援拠点など)に行って、説明を受けるという方法もある。いずれにしても、手間がかかることは間違いないが、こうした「緊急時」には、公的支援を使い倒すしかない。通常であれば中小企業経営者は多忙であり、こうしたことに割く時間などないのだが、いまは営業活動などがほとんど出来ない状況でもあり、ぜひ時間の無駄と思わず調べてみてほしい。

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