「このまま、何の補償もなく営業を自粛していたら、飲食店はバタバタと潰れてしまう」――。家賃の支払い猶予を求めた記者会見が開催されたのは、4月21日。タリーズコーヒージャパン創業者で元参議院議員、現在はパンケーキのトップブランド「エッグスンシングス」など約30店を展開する「EGGS’N THINGS JAPAN」社長の松田公太氏ら、飲食チェーン有志が立ち上げた「外食産業の声」が訴えた。
これ以降、新型コロナウイルスの感染拡大によって甚大な影響を受けた飲食店や小売店など、家賃が発生する店舗ビジネスをいかに救済するかが、政治の重要な課題として急浮上した。そして、このほど、家賃支援に関する法案の与党案・野党案が出そろった。
4月7日、7都府県に緊急事態宣言が発令され、16日に全国に拡大されたが、影響を受けた飲食店の惨状は驚くばかりだ。直前まで絶好調で毎月の既存店売上が前年を上回り続けたスシローや丸亀製麺の4月の状況は、時短営業も響いて前年同月比でほぼ半減となる55.6%と55.3%。
居酒屋はもっと深刻だ。鳥貴族は基本的に休業しているので、同3.9%、つまり96.1%減となっている。
もちろん、ケンタッキーフライドチキンの133.1%、マクドナルドの106.5%といったように、例外的に好調なチェーンもなくはない。しかし、両社はテークアウト(しかもドライブスルー)に強いという特徴があった。全ての飲食店が見習えるものではない。
さて、「外食産業の声」は与党案・野党案に納得できるのだろうか。
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