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» 2020年05月21日 07時00分 公開

検察庁法騒動から見る、Twitterの“大きすぎる影響力”と功罪世界を読み解くニュース・サロン(5/6 ページ)

[山田敏弘,ITmedia]

偽情報がより早く拡散、ビジネス情報も

 米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者らは18年、Twitter社の協力を受けて、投稿や拡散について徹底的に研究し、その結果を公表している。それによれば、Twitterでは、フェイクニュースや偽のうわさ話は、正確な話よりも断然早く拡散され、SNSにさらに深く浸透し、より多くの人の目に触れるということが判明している。またTwitterの偽情報は、本当の話よりもバイラルになる傾向が強く、平均して6倍早く人々に届くという。

 このようなTwitterの特性(弱点?)を熟知しているユーザーは、事実かどうか曖昧な話をどんどん拡散し、人をだましてしまうこともできる。「安倍憎し」と考えている人たちは、安倍首相のネガティブな話であれば事実かどうか確認することなく乗っかり、リツイートする。特に、匿名でツイートできるとなれば、その行動に責任を感じることもないだろう。

 仮に今回、「#検察庁法改正案に“賛成”します」という立場のユーザーの中にTwitterの特性に精通している人がいて、ボットやスパムなどを駆使して徹底したキャンペーンを実施したらどんな結果になっただろうか。

 そんなSNSプラットフォームから盛り上がった「運動」をどこまで深刻に受け止めるべきなのか。メディアがそれを拾わなければ今回のようなうねりにはならなかったはずで、そういう意味ではメディアもTwitterの実態と、大量のツイートの意味をあらためて検証する必要があるのではないだろうか。

Twitterを悪用して多くの人をだますこともできてしまう

 さらにこんな側面もある。MITの研究では、政治やエンタメ、テロなどと同様に、ビジネス関係の偽情報についても、事実より拡散されやすいという。

 今回のケースは政治の話だったが、これはビジネスの世界にも当てはまる。広告やプロモーションなどでTwitterを活用するケースは非常に多いが、その実態を知ることは、Twitterのビジネス面での効果を再認識するきっかけになる。

 会社や製品についてネガティブな評判があふれかえる場合もあるし、嫌がらせのようなツイートをされる可能性もある。それがボットなどでしつこく続けられるケースもあるだろう。

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