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コロナうつにならないために 従業員のメンタルケア、“不安とうまく付き合う”サポートが鍵アフターコロナ 仕事はこう変わる(3/3 ページ)

» 2020年05月25日 07時00分 公開
[加納由希絵ITmedia]
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「負の感情」とうまく付き合うサポートを

 テレワークが普及していく中でのメンタルケアについて、武川氏は、emol workでも重要なポイントとなっている“セルフケア”を促すことが有効だと話す。

 「コロナがなかなか収束しないと、不安などネガティブな感情が常に付きまとうことになります。不安を否定せずに受け入れて、うまく付き合っていくことができれば、簡単につぶされないし、他人をむやみに攻撃することも減っていくのでは」(武川氏)

 従業員のセルフケアをサポートする一環として、emol workのようなツールやオンラインカウンセリングなどを導入することは、個々がネガティブな感情を認識し、「考え方を変えることができる」ことに気付くきっかけの一つになる。

 そのため、上司や部下の顔が見えない中で、相手に対する決めつけや思い込みにとらわれたり、「働いていないのでは」と疑心暗鬼になったりする人に“気付き”を与えるきっかけにもなるだろう。

 「負の感情を認識できれば、(自分の思い込みに)根拠がないということ、相手も不安なのは同じだということに気付けます。そうすれば、少しずつ論理的な考えができるようになり、余計なことで怒ることも減らせます。感情的になるよりも、どうすれば分かってもらえるか考える方がいいと分かってきます」(武川氏)

 仕事でもプライベートでも家に閉じこもりがちになり、見えないウイルスの情報ばかり目に入ってくると、ネガティブな感情にとらわれてしまっても不思議ではない。「不安を受け入れるなんて難しい」と思うかもしれないが、それをサポートする人やツールの存在があれば、少しは楽に過ごすことができるかもしれない。

 武川氏は「メンタルヘルスに対する、病気や予防といった重いイメージを変えたいという思いがあります。AIを通じて従業員のケアができる、サポートツールとして使ってもらいたい」と話している。

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