連載
» 2020年05月28日 07時00分 公開

集中連載 新型コロナで経済死しないための方法 :コロナ禍での支払いの優先順位 (1/4)

零細経営者が切羽詰まるのはどういうときか? それは入金のあてがないか、極めて限られており、一方で支払いが多くてどうにもならない場合だ。特に商いのメインだった仕事が急に止まると、にっちもさっちも行かなくなる。だから借り入れなどで、一時的に残高が増えたからといって、気が大きくなってどんどん払ってはいけない。払う順番をよく吟味しなくてはならない。

[池田直渡,ITmedia]

 第1回では、新型コロナがもたらした経営危機に際してひとりで悩まずに、適切な援助を頼む重要性について説明した。では、零細経営者が切羽詰まるのはどういうときか? それは入金のあてがなく、一方で支払いが多くてどうにもならない場合だ。特に商いのメインだった仕事が急に止まると、にっちもさっちも行かなくなる。

経営がにっちもさっちもいかなくなる3つの類型(写真提供:ゲッティイメージズ)

3つの分類に応じた対処を

 実はその状況は3つに分類されると思う。1つ目は、そもそも事業自体がジリ貧であり、やがて継続に限界が来ることが分かっていたが、最後に今回のコロナショックで止めを刺されたケース。こういうケースでは、逆風の中で事業を再生するのはまず無理だ。だから少しでも余力があるうちに畳んでしまったほうがいい。

 事業を畳む理由は、一にも二にも出血を止めることだ。廃業する人の多くは起業した人でもある。起業のハードルが異常に高いといわれている日本で、起業したこと自体が大きな才能なはずだ。そもそも起業をした人たちは、起業家という極めて稀(まれ)な才能を持った人だ。だからこの人たちは日本の重要な人材なのだ。ワンストライクでアウトにする必要はない。

 そう言われると、「いやいや、私の場合、別に青雲の志があって起業したわけじゃない。もうどこにも雇ってもらえないから仕方なく起業したのだ」と言う人がいると思う。だが実は、日本でも米国でも、起業の理由の最大多数派はそういう「でも・しか起業」である。「もうしょうがないから起業でもするか」とか「もうしょうがないから起業するしかないか」。ご想像通り、筆者も「でも・しか起業」の一人である。

 「でも・しか」であっても一応は起業した人だ。そこでふるいはかけられている。しかも失敗による経験も積んでいる。次に良き風が吹いてきた時に、もう一度やり直すためにも、傷が深手にならないうちに撤退すべきである。一度事業を整理して、必要ならば生活保護を受ければいい。

 まずは「廃業支援」で検索して、しかるべき相談先を探してほしい。自分でできなければ、支援してくれる人を探すのは前の記事で書いた通りである。条件が著しく複雑だが、廃業にも支援金制度が使える場合がある。

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