1カ月ほど前、「2日でシステム用意、即座に5000ユーロ助成金振り込み」というサブタイトルで、コロナ危機に対するドイツ・ベルリンのスタートアップ企業の取り組み、およびフリーランサーに対するドイツ政府の助成金支払に関する記事を書いた。
だがその後ずっと、「2日でシステム用意」というサブタイトルの信憑性(しんぴょうせい)について、筆者の頭のなかで、大きな疑問符がグルグルと回転していた。確かに3月18日のメルケル首相演説、3月25日の助成金/援助金の連邦議会承認、3月27日のInvestitionsbank Berlin(以下IBB)の申請受付/給付開始は、私たちが知る限り報道された事実だ。しかしどう考えても、速すぎる。
そこで、「ドイツには既に、パンデミック・リスク対応BCP(事業継続計画)があって、『ゼーレのシナリオどおり』(from 『新世紀エヴァンゲリオン』)的な感じで事が運んだから、2日で助成金支払いが実現できたのでは?」など、さまざまな妄想が膨らんだ。そこで、実際にベルリンにて助成金/援助金の支払窓口となったIBBのコーポレートコミュニケーション責任者、イェンス・ホルトカンプ(Jenz Holtkamp)氏にインタビューを行った。
IBB Webサイトの助成金受付、キューイングツール(申請者の行列管理システム)画面。3月30日、ドイツ在住フリーランサーとしての筆者が申請したときの画像だ。受付番号は約39万となっている
- ベルリン、厳戒ロックダウン下の働き方
3月末から日本よりはるかに厳しいロックダウン環境下にあるドイツ、ベルリン。ベルリン在住の筆者が、フリーランサーへの素早い助成金支給や、テレワークを業務の根本に据えるドイツのスタートアップの職環境について、現状を解説する。
- なぜ起こる? 欧州、電力マイナス価格の謎に迫る
新型コロナによる経済停滞の影響により、原油先物価格が史上初のマイナス価格となったニュースが反響を呼んでいる。しかし、欧州では既に2008年から、電力の先物取引においてマイナス価格の制度が導入されている。実際、電力の先物取引での値段がマイナスとなることは、ごく当たり前のことだといわれている。
- SaaSはバックオフィスの何を変えるのか
バックオフィス業務を支える便利な道具に、SaaS(サース)がある。営業やマーケティングの分野が先行して導入が進んだが、ここにきてバックオフィスにもSaaSの活用は広がっている。SaaSを導入して効率化された企業もあれば、逆にうまく活用できずに生産性が下がってしまったという企業もある。その違いはどこにあるのか。
- 経営者必見 新型コロナ対策で税金が「戻ってくる・少なくなる・待ってもらえる」
新型コロナの感染拡大、緊急事態宣言による外出自粛などの影響を少しでも緩和するため、打ち出された緊急経済対策の中には、税制の特例も含まれている。税金の制度は、経営者として事業を守るため積極的に使っていくべきだが、名称からして分かりにくいものが多い。自身が対象となるか分からない事業者も多いだろう。そこで事業者向けに新型コロナ緊急経済対策の税制について簡単に紹介したい。
- 新型コロナ「国民1人当たり10万円給付」以外でも知っておきたい、万が一のときに使える各種支援制度とは
新型コロナで大きな影響を受ける企業活動。全国に「緊急事態宣言」が発出された今、身を守るために知っておくべき各種支援制度とは? 新田龍氏が解説する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.