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» 2020年05月14日 07時04分 公開

ドイツはどうやって「2日」で助成金支払いを実現したのか? 開発元銀行インタビュー迅速なシステム構築の裏側に迫る(5/7 ページ)

[Masataka Koduka,ITmedia]

――現時点で何人の申請者がいますか?

ホルトカンプ氏 5月12日までに、IBBはSoforthilfe I 救助ローンでは、合計1620件の申請がありました。これまでに、969件の申請に対して1億690万ユーロが承認され、5800万ユーロが企業に支払われました。

 Soforthilfe II については、単独自営業者や最大10人の従業員を抱える零細/中小企業から約24万件の応募がありました。これまでに、合計18億ユーロが申請者20万8000人に支払われました。

――一週間の準備期間があったとのことですが、インターネット上の申請システムの開発期間はどれくらいかかりました? 何人のエンジニアが投入されましたか?

ホルトカンプ氏 事前に確立されていた設計に基づいて構築しましたので、3日ほどで、全システムが利用可能になりました。約5人の開発者で開発し、それに加えて約7人がインフラと、フォームコンテンツを担当しました。

――申請者が殺到して、初日(3月27日)システムダウンもあったように聞いています。また、受給者数よりも、キューイングツールの処理番号(受付番号)が多いということを聞いたこともあり、ロボットによる悪戯もあったのではないかと噂(うわさ)されています。実際、どうだったのでしょうか?

ホルトカンプ氏 キューイングツールの受付番号は、申請者数と関係がありません。システム的に自動カウントアップであり、また全番号の60%は使用されていませんので。

 事件といえば、3月28日に起こりましたね。 ボットによるDDoS攻撃です。一時的にインフラが麻痺しました。ただし、申請データは、セキュリティシステムで完全に保護されていました。

待ち行列を抜けて、実際に申請が可能となる寸前の画面

――インターネット上での攻撃対策について教えてください。

ホルトカンプ氏 ベルリン州とIBBは緊急援助システムを、比較的早期に開始でき、非常に多くのアプリケーションを迅速にリリースしました。その結果、インターネット犯罪者に、偽のサイトを作成する時間を与えなかったと思います。キューイングツール(申請者の行列管理システム)は、フィッシング攻撃の防止にも役立ったと考えますね。サイバー犯罪者は、並んで待つのが好みじゃないようなので。

 また、私たちには非常に優れたSEO対策があります。IBBのWebページは常にコロナ援助で高く評価されます。URLも詐称しにくいよう工夫しています。異常なアクセスを即座に検知できる相互制御メカニズムも実装されています。

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