――リモートワークの環境が整っていない従業員には、どのようなフォローをしましたか?
こういったときにありがちな話ですけど、「会社と同じように作業しやすいモニターが欲しい」「ネットにはつながるけどオンラインセミナーを開くには回線速度が不安」といった声がありました。そこで必要な従業員には、モニターやポケットWi-Fi、ヘッドセットなどを支給しました。
――コストはどのくらいかかりましたか?
モニターだけでいうと、120台で200万円ほどかかりましたが、オフィスのランニングコストを考えると妥当な金額だと思います。IT機器の支給を真っ先に行ったことで、入社式や記者会見、決算発表も、自宅から行えるようになりました。
毎年7月1日には全社員で会社の戦略や課題を議論する社員総会のようなことをしているのですが、それも2020年はオンラインで開催することを決めています。在宅勤務を開始した3月時点では、全てをオンラインにすることは想像もつかなかった従業員も多いと思いますが、今は「リアルと同じだけの成果を出そう」を合言葉に本気で取り組んでいます。
――4月から新卒で入社した新入社員は、まだオンラインの職場環境しか体験していないそうですが、そのことで懸念されていることはありませんか?
「リモートネイティブ」とも呼べる彼らはオンラインがデフォルトとなっているので、いずれリアルのオフィスで仕事を再開させるときのことを考えると、オンラインでの信頼関係の構築がますます重要になるのではないかと思います。例えば入社式でも一方通行で自己紹介をするのではなく、テレビ番組仕立てにして、自宅にいる新入社員と先輩社員たちをオンライン上で双方向につなげる仕掛けも取り入れました。
――オンラインでの信頼関係構築というのは、リアルでの信頼関係構築より難しい面も多いと思います。
確かに、リアルで対面するよりも難しい面はありますが、オンラインでどこまでできるのか、トライしていくことが大事なのではないかと思っています。コロナ前からある施策として、コミュニケーションの活性化を図る場での飲み物代を会社が負担する制度などもありますが、在宅勤務によってチーム外の人と会う機会が少なくなってしまったという声に応える形で、ビデオ会議でのランチ代を会社が補助する施策も始めました。引き続き、そういったカジュアルな集まりの場を会社が支援していきたいと考えています。
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