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» 2020年05月29日 15時08分 公開

アフターコロナ 仕事はこう変わる:freee佐々木大輔CEOがリモートワーク時代に1on1を重要視する真の理由――マネジャーが部下と信頼関係を築く要点 (1/4)

freeeは3月2日から「全従業員出社禁止」を実施している。各社のテレワーク実施率がなかなか高まらない中で、3月・4月の在宅勤務率99%を達成した同社は、どのような指針で働き方改革を進めたのか。佐々木大輔CEO(最高経営責任者)に聞いた。

[香川誠,ITmedia]

アフターコロナ 仕事はこう変わる:

 新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、業務の進め方を見直す企業が増えている。営業、在宅勤務、出張の是非、新たなITツール活用――先進的な取り組みや試行錯誤をしている企業の事例から、仕事のミライを考えていく。

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 新型コロナウイルスの影響を受けて各企業が新しい働き方を模索する中、クラウド会計ソフトで知られるfreeeは3月2日から「全従業員出社禁止」を実施している。5月25日に緊急事態宣言は解除されたものの、今後予想される“第2波”、そしていつ来るか分からない台風や地震などの災害を考えれば、テレワークなどの感染予防対策を一過性のものとして考えることはできない。

 カオナビによるリモートワークの調査では、「毎日リモートワーク」していた人が17.4%にとどまるなど、各社のテレワーク実施率がなかなか高まらない中で、3月・4月の在宅勤務率99%を達成した同社は、どのような指針で働き方改革を進めたのか。佐々木大輔CEO(最高経営責任者)に聞いた。

phot 佐々木大輔(ささき・だいすけ) Googleで、日本およびアジア・パシフィック地域でスモールビジネス向けのマーケティングチームを統括。 その後、2012年7月freeeを設立。Google以前は博報堂、投資ファンドのCLSAキャピタルパートナーズにて投資アナリストを経て、レコメンドエンジンのスタートアップであるALBERTにてCFOと新規レコメンドエンジンの開発を兼任。一橋大学商学部卒。専攻はデータサイエンス(以下、オンライン取材とカオナビのプレスリリース以外はfreee提供)

確定申告、法人の決算とタイミングが重なった

――貴社はもともと災害時に備えるBCP(事業継続計画)の一環としてテレワークの準備を進めていたそうですが、想定とは異なることもありましたか?

 当社が上場(2019年12月)前から取り組んできたBCPでは、主に地震や水害などの自然災害で本社が使えなくなることを想定していて、サービスのキャパシティーを一時的に落としてしまったとしても、最低限のサービスを継続させることを考えていました。

 全従業員とまではいかなくても、一部のメンバーによりサービスが提供できている状態を目指していましたが、今回のケースでは時期的な問題もあり、フルキャパシティーでサービスを提供することが求められました。

――時期的な問題というのは、どのようなことですか?

 個人事業主の確定申告や、法人の決算とタイミングが重なったことです。確定申告の期限が延長されたりユーザーの皆さんが在宅勤務となったりと混乱が生じる中で、今までとは異なるニーズがありました。例えば、期限が延長されたとしても、「後でやるのは面倒だから」と、時間がある今のうちにやっておきたいという人も多く、フルキャパシティーでのサポートや営業活動を4月に入ってからも続けていく必要がありました。

――全社員出社禁止という中で、フルキャパシティーの体制を維持してきたわけですが、出社禁止は3月2日からと、テレワークを実施した他社に比べても判断が早かったと思います。

 当初懸念していたのは、自宅から社内のネットワークにアクセスするためのVPN(Virtual Private Network)のリソースがあるかどうかということでした。ただ、これも調査した結果、500人以上の全従業員が自宅からアクセスしても大丈夫そうだということが分かったので、全国の小中学校に休校要請が出た時点ですぐに決断することができました。

 4月の入社時期を挟んだこともあって、入社対応や押印作業などどうしても必要な場合のみ出社を許可しましたが、それ以外は全て自宅で作業できるようになったので、3月・4月の在宅勤務率は結果的に99%という数字になりました。

――突然の在宅勤務に戸惑う従業員の方も多かったのでは?

 実は当社には、以前から離島で在宅勤務している社員がおり、今回は彼が中心となってビデオ会議の進め方やマナーをみんなに広めてまわったという経緯があります。彼のおかげで、すんなり移行できたと思います。オンラインでの営業のやり方などについても、彼がナレッジを共有してくれました。

 オンラインでは名刺交換もできないし、どんなふうに自分のことやサービスを説明するか、その説明に対する相手の理解度を知るか、リアルとは関係の構築方法も異なるのでとても参考になりました。

phot カオナビによるリモートワークの調査では、「毎日リモートワーク」していた人が17.4%にとどまっている(プレスリリースより)
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