攻める総務

ウィズコロナ時代に考えるべき「健康経営」の課題とは?ウィズコロナ時代の健康経営(2/3 ページ)

» 2020年06月19日 12時00分 公開
[渡辺敏成ITmedia]

ウィズコロナで考えなくてはいけない健康課題

 健康経営の基本を押さえた上で、つぎにウィズコロナです。ウィズコロナでは働き方が一変します。働き方が変われば、暮らし方が変わる。暮らし方が変われば、食事・運動・睡眠の生活習慣も変わる。生活習慣が変われば、気分やメンタルも変わる――ウィズコロナ時代では、いろいろな変化に一度に対応する必要があります。また、ビフォーコロナ時代に考えられていた健康課題も、別の課題に変わる可能性があります。今回、ウィズコロナ時代に考えるべき健康経営の課題を4つ挙げてみました。

  1. 継続的な感染症対策
  2. 在宅勤務等に伴う身体活動量の減少
  3. 全体としてのメンタル不安の増加
  4. 在宅勤務(テレワーク)における健康管理・健康施策の難しさ

1、継続的な感染症対策

 ウィズコロナにおいて、継続的な感染症対策は必須です。職場の定期的な消毒や、居室・会議室での換気、マスクや消毒液の常備など、基本的な感染症対策は、継続的に実施する必要があります。

 また、今後の第2波、第3波のことを考えると、感染リスクの高い方(持病を持っている方や生活習慣病の方、重症化の恐れのある方など)をあらかじめリストアップし、すぐに対策が取れるように準備しておくことが大切です。第2波、第3波を想定した十分な感染防止対策、これがウィズコロナの必須課題です。

2、在宅勤務に伴う身体活動量の減少

 コロナによる外出自粛は、従業員の活動量にも大きな影響を与えています。

「コロナ影響前」「自粛要請期間」「緊急事態宣言」の3つの期間による歩数の推移(出典:リンクアンドコミュニケーション調査レポート)

 リンクアンドコミュニケーションの調査では、1日の徒歩移動が「3000歩未満」という明らかに歩数の少ない層が、コロナ影響前の1月では約14%だったのに対し、自粛要請から増加し、緊急事態宣言後は約30%と急増しています。「通勤の減少」「仕事中の移動の減少」「外出自粛」などの在宅勤務が思った以上に身体活動の減少に影響を及ぼしていることが分かります。

 ウィズコロナにおいては、しばらくは在宅勤務とオフィス勤務が混在する勤務スタイルが予想されます。しばらく在宅勤務を行っていた方々の中には、歩数減少などの身体活動の減少から、体力の低下や体調不良、持病の悪化などを起こしている方もいるかもしれません。在宅勤務による身体活動の減少リスクへの対策を行いながら、オフィス勤務に復帰した方々への健康課題にも対応することが求められています。

3、メンタル不安の増加

 新型コロナは人々のメンタルにも影響を及ぼしています。緊急事態宣言後、就業者6302人を対象にメンタルに関する調査をしたところ、全体の44.7%の人が何らかの「メンタル不安」を感じていることが分かりました。

 メンタル不安は、働き方によっても異なります。まず「フルタイム」「パート勤務」「休職中」といった勤務形態の違いでは、フルタイムの勤務の方が42.7%と全体平均を下回ったのに比べ、パート勤務の方は46.3%、休職中の方は48.9%と、全体平均(44.7%)を上回りました。仕事の不安定さが、メンタル不安により影響を与えている結果になっています。

 次に、労働時間との関係です。

勤務形態/労働時間と「メンタル不安」(出典:リンクアンドコミュニケーション調査レポート)

 フルタイム/パート勤務、在宅/出社勤務に関わらず、緊急事態宣言後に「労働時間が増えた」方の「メンタル不安」が全体と比べて高い結果になっています。

 そもそも、未知のウイルスの流行で前代未聞の緊急事態宣言発表という、誰しもが平常時の心理状態ではいられない状況です。それに加えて、労働時間が増えることで、心にゆとりが持てなくなっているのだと推測できます。

 ウィズコロナにおいては、在宅勤務、オフィス勤務が共存する中で、在宅で対応できなかった業務が積み残されているケースも考えられ、さらに労働時間が増えることも予想されます。一方で、在宅勤務を快適に感じた従業員にとっては、出勤を伴うオフィス勤務をストレスとして感じる方もいるように思われます。両者のメンタルをどうケアしていくかも、ウィズコロナ時代の課題の1つです。

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