新型コロナウイルスの経済への悪影響は転職市場にも及んでいる。コロナ前の人手不足から反転、今は急速な買い手市場に転じつつある。中でも「ある種の意外な人材」が、特に不利な状況に追い込まれているという。パーソルキャリア(東京・千代田)の運営する転職サービスdodaの独自データから分析した。
調査はパーソルキャリアが掲載数10万件超のdodaの求人データを元に分析した。2月の求人数を「1」とした場合の、コロナ禍が厳しくなってくる3〜5月の求人の増減率について算出した。特に同社が注目したのが、求人内容の中でも「年収」の項目だ。
5月求人数に注目したところ、年収500万円台〜1000万円台の求人数は、減ってはいるものの2月より10%台〜2割の減少にとどまっていた。一方、400万円台及びそれ以下の年収を見たところ、いずれも2割超〜3割近く減った結果に。この「400万円台」を境に、年収低めの求人数がコロナ禍で特に減少したことが見てとれる。
不況になると、人件費の高い高収入な求人からまず減りそうな気もしないではない。しかし、dodaの喜多恭子編集長は「未経験者向けの求人数が明らかに減っていることが背景にある」と分析する。
実際、同様にdodaの求人掲載数の推移を経験・未経験別に分析すると、5月分は全体で前月比13.9%。一方で、「業種未経験でも歓迎」の求人は28.2%減、「職種未経験でも歓迎」の求人も28.7%減と、全体より明らかに減少率が高くなっていた。基本的に、どの業種・職種においても経験者より未経験者の方が期待できる収入は低くなる傾向があり、冒頭の「低年収求人ほど減少」につながっていると考えられる。
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