起業家Matt Shumer氏は、GPT-3を用いて機械学習モデルのコードを生成するデモンストレーションを公開した。「画像を5種類に分類するモデルを作る。データセットには2万5000の画像があり、入力は500x500」という短い指示から、機械学習ライブラリKerasを用いたコードを生成している。Shumer氏は「ノーコードAIの出発地点だ」とツイートしている。
起業家Yigit Ihlamur氏は、GPT-3によるプログラムコード生成を試して「5歳の子どもが最初のPCを手に入れた時のように感じた」「プログラミング構築のパラダイムシフトだ」「ユースケース(用途)は無限だ」と興奮ぎみにツイートしている。
プログラムコードを自動生成するデモンストレーションは印象深いが、GPT-3の本来の用途はテキスト(文章)を出力することだ。文学的な文章、例えば詩や対話、だじゃれ、文学作品のパロディなどをGPT-3で作り出した研究者もいる。シェークスピア風の詩や、有名作家(メルヴィル、ナボコフ、ドフトエフスキー、ルイス・キャロル、スティーブン・キング……)の筆致で書かれた「ハリー・ポッター」シリーズの一部、などの創作群が読める。
起業家のSushant Kumar氏は、任意の英単語からツイート風の文章を生成するデモンストレーションを公開している。ここに、例えば"unitednation(国連)"という単語を与えてみると、次のツイートが生成された。
“The UN should be the most important project in the world, naturally there’s no rush.”
仮訳:国連は世界で最も重要なプロジェクトであるべきであり、当然急ぐ必要はありません。
"iPhone"という単語を入れると、こうなった。
"Dream of iPhone, wake up in a world with an Android but miss the iPhone."
仮訳:iPhoneの夢、Androidで目覚めてもiPhoneが恋しい。
GPT-3は、このように意味ありげな文章を作成する。ただし、そこには理解や意思はない。「それらしい言葉」を並べているだけだ。
話題の過熱ぶりを見かねて、OpenAIのCEO(最高経営責任者)であるSam Altman氏はTwitterで「賞賛してくれるのはうれしいが、まだ深刻な弱点もある。もっと冷静に」と呼びかけた。開発元であるOpenAIは、GPT-3の限界を一番分かっているのだ。
テクノロジー好きがこれだけ熱中するGPT-3とは、どのようなものなのか。
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