リモートワーク中、メールと電話だけでは会話が減るので、まずはツールの導入が必要になる。ビデオ会議サービスやビジネスチャットサービスの導入は当然として、それでも会話の量が減るという場合は、どんな工夫があるのだろうか。
特に1対1のプライベートチャットなどは、当事者以外には何を話しているのかが分からない。キャスターでは、可能な限りグループチャットを作って会話することを推奨しているという。さらに、雑談用のグループチャットも作って、業務外の話題でもコミュニケーションを行うようにしている。その際、上司から積極的に雑談することで、雑談してもいいんだという空気が作れるという。総務主導で、こうした場を積極的に作っていくことが求められてくるだろう。
「リモートワークで最大の課題の一つが疑心暗鬼です。もともと見えていた相手の姿が見えなくなるという不安はどうしても起きてしまいます。それを解消するために『見える化』することが大事です。業務フローを可視化するだけでなく、コミュニケーションもグループの中で分かるようにする設計が大事だと思います。エンゲージメントに不安を持っている会社は、この疑心暗鬼がネックになっていると思いますが、エンゲージメントに場所は必須ではありません。オフィスがあるからエンゲージメントが高まるというわけではないのです」(勝見氏)
最後に、今後の展望を聞いてみた。
「リモートワークを当たり前にするというミッションを掲げている会社なので、当社の中でリモートワーカーを増やしていく予定です。そして、そのノウハウを社外に対して提供していくことで、周りの企業にリモートワークを導入してもらいたいと思います。今後も、ノウハウをホワイトペーパーとして出したり、コンサルティングサービスの中で、サポートデスクと作ったりしていきたいです」と勝見氏は語ってくれた。
勝見氏の話を聞いていると、うまくいかなかった理由はリモートワークにあるのではなく、「リモートワーク外」のところにあることがほとんどだということに気付かされる。業務フローとコミュニケーションのオンライン化と見える化を行い、成果の定量化を行うべしというアドバイスにも納得だ。
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