例えば、書類や貸与品などの送付・受け取り、契約書への押印、取締役会議議事録の保管といった業務を行っている。中でも、保育園に提出する就業証明を発送する作業が多い。これは子どもがいる女性が多く働いているという理由からだ。
一方フルリモートの人事・総務部では、稟議の運用から備品の貸与、福利厚生の運用、反社会的勢力のチェック、法務チェックなどの業務を担当している。株主総会や毎月の定時取締役会も、原則オンラインで行っているという。
これだけの業務を問題なく遂行させるコツはどこにあるのだろうか? 勝見氏に聞くと、「コミュニケーションと業務フローをオンライン化する前提でないとリモート化は難しいと思います。この点からわれわれは、業務を効率化できるようなツールを活用しています。とはいえ中には、どうしてもオフラインでしかできない仕事が発生するので、その作業を行うメンバーと行わないメンバーの役割分担を切り分けて体制を作っています」と話した。成功の秘訣は、役割分担と積極的なITツール導入にあるようだ。
実際にキャスターが使っているオンラインツールを見せてもらったのだが、なんと資料にあるだけで自社サービスを含めて30以上ものツールを活用していたのには驚いた。
総務業務では、法務契約書に「クラウドサイン」、稟議申請に「ジョブカン」、給与前払いに「Payme」、反社チェックツールに「Risk Analyze」、社内イベントには「cluster」や「Remo」を使っている。採用では、キャスターから分社化した「bosyu」や「HERP」を使っていた。コミュニケーションツールとしては、全社で「Chatwork」を導入しており、さらに一部でツール連携のために「Slack」も利用しているという。
「リモートワークの導入に失敗した」と思っている企業に対するアドバイスを聞いたところ、そもそも「コロナ禍におけるリモートワークは特殊」だと勝見氏は指摘する。
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