日本初のP2P保険である「わりかん保険」で7月、初めて保険料が発生した。
保険スタートアップのjustInCaseが提供するわりかん保険は、加入者同士の助け合いの精神のもと、毎月決まった保険料を支払うのではなく、保険金支払いが発生したときに初めて、加入者で保険金額を“割り勘”して支払う仕組みのがん保険だ(1月28日の記事参照)。
2月のサービス開始から、がんになった人はおらず、ずっと保険料は0円が続いてきた。7月に入って、40代の女性ががんになり、また60代男性が死亡し、一時金と死亡保険金が支払われた。サービス開始から半年で、加入者には初めて保険料が発生したことになる。
ところがふたを開けてみると、保険料を払うことになった加入者から受給者に向けて、運営元のjustInCaseも驚くほどの応援メッセージが届いた。
P2P保険は中国で先行し、2019年末の段階で1億人以上が加入しているというフィンテックの中でも成長分野だ。急速に普及した理由は割安な保険料だと言われているが、日本では少し状況が違うとjustInCaseの畑加寿也社長は分析する。「中国では安いことで訴求してきた。日本では、左脳的な安さではなく、右脳で助け合いを感じることに注力する」
サービス開始から5カ月間、ずっと保険料がゼロだったように、確かにP2P保険の特徴の1つは割安な保険料だ。しかし日本では、お互いに助け合う仲間であるという実感のほうに価値を感じる加入者も多い。
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