一方で、対面営業もなくスマホからの加入のみという仕組みもあり、加入者は現状ITに慣れた先端層に偏っている。8月1日時点での加入者は、20-30代と40-54代がそれぞれ1000人、55歳以上が163人の合計2212人だ。当初、統計的に安定して保険金支払いが発生するようになる加入者数として1万人を1つのターゲットとしていたが、そこには遠い。
「まだまだ道半ば。新しい仕組みなので浸透が足りていない。ただし、少額短期の保険としては半年で2000人は他社に比べても遜色ない」(畑社長)
わりかん保険は革新的なビジネスアイデアの実証実験に使われる「内閣府サンドボックス制度」のもとで提供されている。実証実験という意味では、実際に保険金の支払いも行われ、人数的にも十分な数だという。
この成果を生かして、今後はP2P保険の仕組みを他の保険会社へ提供することを想定しており、すでに話を進めているという。「実証実験が終わった後、ほかの会社にもシステムを関与するなどの連携があり得る。保険の一分野にしたい」と畑社長は手応えを語った。
また、当初はがんというほとんどの日本人が罹患する病気を対象とした保険としたが、いかんせん、高齢者以外ではがんの罹患率はそれほど高くはない。もう少し発生率が高い保険への取り組みや、もニッチな領域に絞った保険の開発も検討中だ。
「例えば、糖尿病の人同士で助け合うような仕組みができれば。がんよりもニッチな市場にはなっていくが、そういう方向性はあり得る」(畑社長)
がんになった人の保険金を加入者が分担 P2P保険の「わりかん保険」が開始
「保険料を払うことで誰かを助けられる」 わりかん保険の透明性が導く本質
「感染リスクの高い人に届けたい」――自宅療養でも即時給付、スマホで入れるコロナ保険登場
「誰でも保険会社」になれる 証券に続き保険もプラットフォームへ
Pontaポイントで保険に入れる 1日レジャー保険が90ポイントからCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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