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自分も切られる―― 加速する「人減らし」 コロナ禍を生き抜く、“人を守る”知恵河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(2/4 ページ)

» 2020年08月14日 07時00分 公開
[河合薫ITmedia]

 2月初旬にファミリーマートが40歳以上の社員を対象に大規模な退職者募集を行ったことは、覚えている方も多いのではないでしょうか。800人の募集に対し、1111人が応募。そのうち「86人は業務継続に影響がある」として、制度を利用した退職を認めず引きとめたことは話題になりました。

 「86人は業務継続に影響がある」とはあまりに露骨です。要するに、希望退職というのは表向きだけで、暗に“リストラリスト”の存在を肯定したようなもの。「辞めてもらいたくない人が手を挙げちゃったもんだから、いやぁ〜、慌てて引きとめましたよ!」と、企業が認めたのです。

希望退職募集を行う企業が増えており、人減らしは正社員にも及んでいる(写真提供:ゲッティイメージズ)

 他にも、ラオックス(全従業員の約2割にあたる140人程度)、その子会社のシャディ(50歳以上かつ勤続10年以上の正社員や契約社員20人程度)、東芝機械(全従業員の1割弱の200〜300人)、オンワードホールディングス(全従業員の約8%にあたる413人が応募。予定数350人の2割増)、NISSHA(250人規模の希望退職者の募集)、味の素(50歳以上の約800人の管理職を対象に、約100人の希望退職者を募集)など、2019年12月〜20年2月までの3カ月間だけでもこれだけの企業が、希望退職を実施(あるいは実施予定)していました。

 そういった“人減らし”の風がコロナ禍で加速し、非正規だけではなく正社員にも拡大しているのです。

 そんな中、冒頭の男性は次のように話してくれました。

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