GRヤリスについては書くべきことが多過ぎる。ちょっと整理してみよう。
さて、これを果たして全部詰め込めるだろうか?
さてヤリスというクルマは、「モータースポーツからクルマを開発する」というトヨタの新たなコンセプトから生まれている。これはGRだけの話ではなく、ヤリス全体の話だ。
これまで、TNGAではボディ剛性を高めることを「もっといいクルマ」づくりの手法のひとつとして採用してきた。かつてのグズグズだったトヨタ車のボディ剛性から考えれば、それは大きな進歩であり、歓迎すべき話だと思う。なのだが、「ボディ剛性が足りないから上げる」という手法だけでの伸び代は、割とすぐに使い果たしてしまった。硬くすれば重くなる。どこまでも重くして硬くするのは非合理である。
ということで、トヨタは硬くする部位を選別し始めた。「もっといいクルマ」に効く部分とあまり効かない部分。それを往年のWRC4連覇ドライバーである大御所トミ・マキネンと協力しながら解明していった。同時に「しなやかさ」を持たせる部位の必要性にも気づいた。
驚くことにそういう研究の場には開発のメンバーだけでなく、製造部門のメンバーも参加している。言うまでもないが、作り方そのものが量産にフィードバックできなければ、ラリーショップが作るワンオフカーと同じことになってしまう。モータースポーツの世界のやり方に準拠しつつ、100万台作れる方法を見つけることこそが、この開発の大きなテーマである。
その成果がヤリスである。どういうものになったのかは、過去に記事を書いているのでご参照いただきたい。
ヤリスのトレードオフから考える、コンパクトカーのパッケージ論
ヤリスGR-FOURとスポーツドライビングの未来(後編)
ヤリスGR-FOURとスポーツドライビングの未来(前編)
ヤリスの何がどう良いのか?
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