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» 2020年08月20日 05時00分 公開

アフターコロナ 仕事はこう変わる:「他と違った行動を認めない」「テレワークで細かく監視したがる」上司が、企業のイノベーションを阻害している (1/5)

新型コロナウイルスの感染拡大に伴いテレワーク化が進められている。一方で、「相変わらず、対面の社内ミーティングが必須」といった企業も少なくない。こうした現状について、『職場の問題地図』などの著書で知られる業務改善・オフィスコミュニケーション改善士の沢渡あまね氏は、「日本型マネジメントの根底には、“幼稚性”がある」と指摘。インタビューで真意を聞いた。

[小林義崇,ITmedia]

アフターコロナ 仕事はこう変わる:

 新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、業務の進め方を見直す企業が増えている。営業、在宅勤務、出張の是非、新たなITツール活用――先進的な取り組みや試行錯誤をしている企業の事例から、仕事のミライを考えていく。

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 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い多くの企業でテレワーク化やビジネスモデルの見直しが進められている。そうした状況に適応する企業がある一方で、「決裁のために出社しなければいけない」「相変わらず、対面の社内ミーティングが必須」といった企業も少なくない。こうした現状について、『職場の問題地図』(技術評論社)などの著書で知られる業務改善・オフィスコミュニケーション改善士の沢渡あまね氏は、「日本型マネジメントの根底には、“幼稚性”があるのではないか」と指摘する。

 沢渡氏のインタビューを前後編でお届けする。今回の「前編」では、日本の「これまでのマネジメント」の問題と、「これからのマネジメント」の姿について聞いた。社会の不確実性が高まる今、どのような組織変革が求められているのか。

photo 沢渡あまね(さわたり・あまね) 業務改善・オフィスコミュニケーション改善士。1975年神奈川県生まれ。早稲田大学卒業。日産自動車、NTTデータ(オフィスソリューション統括部)、大手製薬会社などを経て、2014年秋より現業。情報システム部門、ネットワークソリューション事業部門、広報部門などを経験。これまで300以上の企業・自治体などで、ワークスタイル変革、組織改革、マネジメント改革のの講演・業務支援・執筆活動などを行う。『職場の問題地図』(技術評論社)など著書多数。新刊に『職場の科学 日本マイクロソフト働き方改革推進チーム×業務改善士が読み解く「成果が上がる働き方」』。 Twitterは@amane_sawatari

日本はいま、時代の過渡期にある

――沢渡さんは、日本社会の現状について、どのように見ていますか。

 時代の過渡期に入っていると感じています。産業構造、マネジメントスタイル、法制度、カルチャー、さまざまな点において、過去30年、40年の日本の当たり前が通用しなくなっている。その原因について、私が思い至ったのが、「これまでの日本の組織マネジメントは、“幼稚性”に基づいていたのでは?」という仮説でした。

――幼稚性とは?

 例えば、リモートワーク中の社員を細かく監視しないと気がすまない上司がいますよね。あるいは、ものごとを進めるとき、自分を飛ばして話を進められると、「聞いていない!」と拗(す)ねて足を引っ張る……。これは、中学・高校の部活動の世界に似た理不尽な話です。

 こういう上司に当たると、部下もやる気をなくしてしまいます。せっかく時代の変化に合わせてスピーディーに動こうとしているのに、古いやり方を捨てない上司に邪魔されるわけですから。

 今、こういった軋轢(あつれき)は多くの場所で起きていると思います。気合根性、同調圧力、年功序列といった古い常識が、テレワークなどのニューノーマルな働き方と真っ向から対立しているのです。

マネジメントは、統制型(ピラミッド型)からオープン型へ

――今の時代に合った組織とは、どのようなものなのでしょうか。

 私は、旧来のマネジメントを「統制型(ピラミッド型)」、これからのマネジメントを「オープン型」として対比しています。こちらの表をご覧ください。

photo 沢渡さんが提示する「これからの時代のマネジメント」。統制型/オープン型の図表(作:沢渡あまね/画:noa)

 まずは、統制型(ピラミッド型)から説明します。統制型(ピラミッド型)は、トップダウンな管理体制です。下の者は上の人が言うことを聞くのが当然で、役職者が家父長のように権力をふるう形ですね。性悪説に基づいたマネジメントがよしとされ、ルールから逸脱することは許されません。

 統制型(ピラミッド型)で重視されているのが、いわゆる「報連相」ですが、そのやり方には、上司が心地よいやり方を下に強いる構造が見られます。例えば、メールによる報告が合理的な場面でも、直接報告を聞かないと気がすまない上司であれば、従うほかありません。資料の体裁や「てにをは」にこだわり、則していないと激怒する上司も。

 その結果、どんどん報連相が遅くなる、あるいは「ヒヤリ・ハット」などのちょっとした情報共有がされなくなる。自分の意に沿わない発言をする部下を、あからさまに冷遇したり、社内にネガティブキャンペーンをして居にくくする上司もいます。もはや人間としての器を疑いますが……。

photo 下の者は上の人が言うことを聞くのが当然で、役職者が家父長のように権力をふるう統制型の管理体制がまかり通っている(写真提供:ゲッティイメージズ)
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