コロナで変わる「家づくり」 ワークスペースだけじゃない、ヘーベルハウスが提案する“特別な空間”アフターコロナ 仕事はこう変わる(2/4 ページ)

» 2020年09月29日 07時00分 公開
[加納由希絵ITmedia]

在宅ワークで失われた「間」

 コロナ禍を機に加速した変化は、商談や打ち合わせのオンライン化にとどまらない。“住まい”という商品そのものの提案も大きな転機を迎えている。

 同社では、5月から「Life Design Ideas(ライフデザインアイデアズ)」という商品シリーズの提案を開始。住む人が重視するライフスタイルに応じた、自由度の高い空間を設けることを提案する。これまでに第1弾として「ワークスペース」、第2弾として「ガレージ」、第3弾として「土間」をつくるアイデアを発信している。

「Life Design Ideas」シリーズとして提案を始めた(出典:ヘーベルハウス

 テレワークの広がりによってワークスペースを求める人は増えたと考えられるが、なぜガレージや土間を提案しているのか。中村氏はその理由について「間」という言葉で説明する。

 「自宅と会社を往復する生活には、時間的・空間的な『間』が存在した。帰宅する前に好きな店に寄るなど、オンとオフを切り替える行動があった。オフィスにいるときも、執務室から会議室に移動する『間』があるだけで仕事のモードを切り替えられる。だが、在宅勤務にはそれがない。物理的な距離がない中で、どうやって『気持ちの間』を作り出せるか考えた」(中村氏)

 そこで参考にしたのが、以前から提案していた「アウトドアリビング」の考え方だ。ベランダや中庭に植物を置いたり、カフェのようなテーブルを設置したり、ホームパーティーなどができるアウトドアグッズを用意したりする提案だが、そのような空間は在宅ワーカーの息抜きの場にもなる。「もともと家族でアウトドアを楽しむというニーズで大きな反響があった。在宅ワークの広がりで、普段の大人の息抜き空間としてのニーズも広がるのでは」と中村氏は話す。

「アウトドアリビング」のある暮らしの一例

 アウトドアリビングのように、ライフスタイルに応じたさまざまな機能を家の中につくるという提案は、働き方改革によってテレワークが注目されていたこともあり、以前から検討していた。それが、新型コロナの影響で一気に現実的となり、多くの人が“自分ごと”として考えるようになったことから、本格的なプロモーションを始めたという。

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