新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、業務の進め方を見直す企業が増えている。営業、在宅勤務、出張の是非、新たなITツール活用――先進的な取り組みや試行錯誤をしている企業の事例から、仕事のミライを考えていく。
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新型コロナウイルスの影響が長期化する中、感染予防を踏まえた柔軟な働き方や対策を掲げる企業が増えてきた。具体的には、テレワークの本格導入、オフィスの縮小や分散、撤退などだ。
しかし、現実的には「そこまではできない」という企業が多いのではないだろうか。業務内容やITインフラの状態によっては、全社員がテレワークを実施するのは難しいケースも多い。また、外出自粛などの影響で売り上げが減少した企業にとっては、コストが掛かるオフィスの移転や改装は高いハードルとなる。
それでも、職場が「クラスター」となってしまうリスクは低減しなくてはならない。複数の従業員が感染してしまう状況が、何よりも大きな損失になることは説明するまでもないだろう。
そういった課題に直面している企業に対して、小さな工夫によって構築できる「非接触型オフィス」の提案を始めたのが、店舗デザインなどを手掛けるROOM810(ルームハート、東京都荒川区)だ。大きな投資をしなくても、今のオフィスに一手間加えることで、安全で効率的な空間を作ることはできるという。同社の丸山慎二郎社長に、非接触型オフィスの考え方とポイントを聞いた。
同社が提案する非接触型オフィスとは、その名称が示す通り、オフィス内で「多くの人の手が触れる」「距離が密になりやすい」箇所を重点的に減らした空間のことだ。物理的な接触による感染リスクを減らすことで、テレワークが難しい環境でも安心して働けるオフィスの構築を目指す。
だが、同社がこの提案を発信するまでには、ある“葛藤”があった。
同社のインテリアデザイン部門では、ホテルや飲食店の空間デザインの仕事を主に請け負っているが、新型コロナの影響で多くのプロジェクトの進行が止まってしまった。そこで自社のノウハウをオフィスインテリアに生かし、コロナ対策に役立つデザイン提案をしようとアイデアを練った。そして、最初に打ち出したのが「脱島型オフィス」だった。
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