丸山社長によると、感染リスクを下げる対策について、「何をしたらいいか分からない」と相談する企業が多いという。しかし、非接触型オフィスを参考に対策を考えていけば、自社のオフィスでも導入できる小さな取り組みが見つかりそうだ。ROOM810では、デザイナーが実際のオフィスを診断することで、リスクの高い箇所を確認する取り組みも始めている。
「すぐにできる対策もたくさんある。非接触型オフィスの提案例を参考にして、『自分たちでできること』と『デザイン会社などに頼むこと』が判断できるのでは」と丸山社長は話す。非接触型のオフィスづくりは、危険な箇所を一つ減らすことから始められる。どのくらいのコストをかけるかは企業の判断次第。予算や物理的な制約を踏まえた上で、「ここまでは対策する」と決めて取り組むことも有効だろう。
テレワークの拡大や感染対策が求められ、オフィスの在り方が見直されている状況は、その存在意義や役割をあらためて考える機会としても捉えることができる。テレワークでできる仕事がある一方で、対面でコミュニケーションをとらないと成果を出しにくい業務もある。本来、オフィスで働くのは“効率的に仕事ができる”からであって、“テレワークできない”からではない。
「もともとオフィスは効率的に働ける空間であり、パフォーマンスを高められることが大前提。そのために、安全で快適に過ごせるようにする必要がある」と丸山社長は強調する。オフィスの安全性を高めることは、社員のモチベーション向上やコミュニケーションの活性化にもつながる。
テレワークでも成果を出せる業務とオフィスの方が効率的な業務を見極めた上で、全ての従業員が安心して仕事に打ち込める環境を整えていく。それが、これからのオフィスを考える上で必要な視点の一つだろう。
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