攻める総務

生産性を高める「健康」と「幸福」 総務が防ぐべき“宝の持ち腐れ”とは?「総務」から会社を変える(3/4 ページ)

» 2020年10月05日 05時00分 公開
[豊田健一ITmedia]

 この企業では、もともとゲーマーが使うコミュニケーションツールである常時接続型の音声チャットツールを使い、バーチャル・オフィスを実現しているという。

 音声のみのツールなので、常時接続していても顔や姿が見えず、気軽に相談やミーティングをできると好評らしい。また、相談のたびにいちいちURLを共有してオンラインツールを立ち上げる必要もなく、片やちょっとした相談なのにわざわざチャットにテキストを打つ、という手間なく瞬時に声がけできる。完全リモートでも、コミュニケーションの低下を防げているのだ。テクノロジーは進化しており、いろいろなツールがでている。ぜひ、いろいろと探してみるといいだろう。

リモートワークでは「顔見せ」も意外とストレス(出所:ゲッティイメージズ)

健康管理もデジタルトランスフォーメーションせよ

 こうしたツールを活用し、「健康」に関しても総務主導でデジタルトランスフォーメーションを進めていきたい。カギは、情報の電子化による集中管理である。

 今や定期健康診断の結果もデータ化される時代であり、ストレスチェックなどにもいろいろなITツールが出てきている。加えて、各種の健康管理情報をダッシュボード画面で一元管理できるツールも登場した。労働時間の管理もIT化されているので、勤怠管理情報と連携すれば「労働時間と健康の相関関係」も見ることができる。業績、パフォーマンスに関する情報と健康情報を掛け合わせることにより、見えてくるものもあるだろう。

 また、その予兆や典型的なパターンを見つけられれば、今度はパターンに当てはまる従業員をデータから抽出することも、IT化により簡単にできる。その該当者に対しては、一斉にメールでアドバイスを伝える、面談の必要性を伝える等の連絡手段もIT化により簡便になっている。結果、総務が行っている健康管理業務の効率性、生産性も向上することになる。1枚1枚紙をめくりながら該当者を探す時代ではない。

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