ゆうちょ銀行「mijica」、第三者がカード偽造か ECサイトで不正利用相次ぐ不正出金・なりすまし被害

» 2020年10月07日 12時24分 公開
[秋山未里ITmedia]

 ゆうちょ銀行は10月6日、第三者がデビット・プリペイドカード「mijica」を偽造、利用した疑いがあると発表した。偽造された可能性があるのは3件。うち2件では、ECサイトで合計16万176円の決済を確認したという。

 ゆうちょ銀行では、利用者が口座に登録した住所にmijicaカードが届くことを、本人確認の手段の一つとしていた。しかし、カードが利用者に届く前でも決済できたという。第三者は被害者の口座情報を不正に取得した上でmijicaカードを作成し、mijica専用サイト「mijicaWEB」でカード番号の下4桁と有効期限を確認して悪用したとみられる。

photo ゆうちょ銀行のプレスリリース

 不正に作成されたカードはいずれも9月末に申し込みがあったもので、10月6日時点で利用者宅への到着を確認できていなかった。

 カードの申し込み日から利用者に届くまでの期間に利用履歴のあるカードについて調査したところ、発覚したという。調査の対象となったのは7月1日〜10月3日の利用履歴。

これまでの経緯

 ゆうちょ銀行では、不正出金やなりすまし等の被害が相次いでいる。

 ドコモ口座やPayPayなどの外部の即時振り替えサービスを利用した不正出金では210件、総額4940万円(10月5日時点)の被害、mijicaの送金サービスを利用した不正出金では合計54件、総額332万2000円の被害(9月24日時点)が起きている。口座のなりすまし開設の被害も確認しており、偽の本人確認書類で作成されたゆうちょ口座が、SBI証券からの不正出金先にも使われた。

photo ゆうちょ銀行の池田憲人社長(9月24日の記者会見より)

 上記の被害を受け、ゆうちょ銀行は池田憲人社長が直接指揮する「セキュリティ総点検タスクフォース」を設置した。10月末を期限に、即時振替サービス、ゆうちょPay、mijicaを対象に、セキュリティの確認、利用状況の点検を行っている。

 タスクフォースの調査では10月3日にmijica専用WebサイトmijicaWEBへ不正アクセスが発覚、1422人の利用者の会員情報が流出した恐れがあることが判明していた。

 今回のmijicaの不正作成・利用についてもセキュリティ総点検タスクフォースが実施した調査により、発覚した。

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